2011年02月10日
『エル・トポ』を観た

京都シネマで『エル・トポ』を観た。
ジョン・レノンや、ウォーホル、寺山修司が愛したカルト映画。20年ぶりに観る『エル・トポ』はやはり『エル・トポ』でしかなかったのだけど、その感想を言葉にするのは難しい。
黒づくめのガンマンと裸の男の子。小さな村の殺戮。盲目のガンマン。母親思いのガンマン。うさぎと暮らすガンマン。洞窟の中に閉じ込められたフリークスたち。うさんくさい宗教とロシアンルーレット。焼身自殺。
何もかもが意味ありげだ。しかし、世界は意味に満ちあふれているのと同時に、フリッパーズの二人が看過したように「意味なんてない」のかも知れない。カルト映画ともちはやされながらアレハンドロ・ホドロフスキー監督が『エル・トポ』(1970年)の後、『ホーリー・マウンテン』(1973年)、『サンタ・サングレ』(1989年)の2本しか映画を残せていないのはやっぱり不幸なことではないのだろうか(こうしてデジタル・リマスターされて再上映されているにせよ)。
3月には『ホーリー・マウンテン』の上映が同じく京都シネマで予定されてます。
■「エル・トポ」HP
■京都シネマHP
2011年02月09日
冬の鰻

ほくほくと熱い身は濃いタレと相性がよく、山椒もぴりっときいていて、ビールもきりっと冷たくて幸福な気分になります。
あと小芋の揚げ物とタコの刺身もうまし。ごちそうさまでした。
2011年02月08日
『東京島/桐野夏生』

『東京島/桐野夏生』(新潮文庫)を読了。
小学生時分に『十五少年漂流記』を読み、アニメ『家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ』を観て以来、無人島にたいする無垢な憧憬がずっとあって、よゐこの無人島生活もうらやましくてしようがありません。なので、好きな作家のひとりである桐野夏生が無人島ものを書いたことを知ったときは、けっこう期待したのです。
で、ようやく『東京島』を読んだのですが、ちょっとものたりません。桐野夏生の本を読むと、日常のすぐ隣りで進行する不安や、どこにでもいそうなひとの持つ真っ暗な暗闇に背筋が寒くなるのですが、無人島という非日常のシチュエーションでは、生きる欲望や、食欲、性欲が普通に優先されるのがどうも詰まらないのです。
やっぱり無人島は大人になってからよりも少年時代に行きたいものです。恋愛とかセックスが絡むとややこしいです・・・。生きることと、脱出することにすべての力と知恵を使いたいものです。
そういえば、今日2月8日は『十五少年漂流記』のジュール・ヴェルヌの誕生日で、グーグルのロゴは『海底二万里』のノーチラス号を模したものになっていましたね。
2011年02月07日
「はやぶさ」展

京大博物館で2月2日~6日まで、わずか5日間開催された『小惑星探査機「はやぶさ」帰還カプセルの特別公開』ですが、1万人を超える入場者があったようです。開館前から整理券が配られるほどの盛況でした(僕がみた『クニマス』展はそんなことなかったです。がらがらでした・・・)。
僕は用事があっていけなかったのですが、息子が見に行ったので、日記より無断で転載します。
※ひらがなを漢字に直しています。
「今日は、友だち(実名)と一緒に京大博物館へ「はやぶさ」展を見にいったよ。最初は「はやぶさ」は鳥の名前だと思っていたんだけど、「はやぶさ」は月よりも、彗星よりも遠いところへいって砂を取ってきたんだよ。」
■京都大学総合博物館HP
2011年02月06日
『人間を守る読書/四方田犬彦』

『人間を守る読書/四方田犬彦』(文春新書)を読了。
好きな作家が、なにかの折りに言及していた本は気になるもので、そうやって僕は自分の読書の系統樹をいろいろな方向に(偏っているかも知れないのですが)伸ばしてきました。本屋で自分のアンテナにひっかかる本を探すのも楽しいのですが、あらゆる本を読むことはできないので、書評も参考になります。
四方田犬彦は特に映画マンガの評論などで、僕の好きな作家の範囲とかぶるので『人間を守る読書』もサクサク読めて、何冊かひっかかる本が見つかりました。『越境の時/鈴木道彦』と『三島由紀夫・昭和の迷宮/出口裕弘』の2冊。あと『岡田史子作品集』も。
読みたい本が増えるのはいいのですが、問題は読む時間と、本を置くスペースです(年初に、今年は本を片付けるように、と家人に念を押されました…)。
タグ :四方田犬彦
2011年02月05日
みなみ会館2月–3月スケジュール

みなみ会館から2〜3月の上映スケジュールが届きました。
今月の予定で気になるのはヌーベルヴァーグとときを同じくしてブラジルで起こったブラジル映画の新しい波「シネマ・ヌーヴォ特集」と「映画の國 名作選Ⅰ イタリア編」の中にラインナップされているベルナルド・ベルトリッチ監督の『暗殺の森』。リーフレットにも書かれていますが、ベルトリッチの最高傑作と呼び声の高い作品です。ベルトリッチを全部観ているわけではないのですが、『暗殺の森』は美しい映像(俳優や構図など、いろんな要素全部含めて)にココロを捕らわれました。特にダンスシーンは目を見張ったのを覚えています。
あとは「松江哲明特集」が気になります。未見の『あんにょん由実香』がないのが残念ですが…。2月26日のオールナイトイベントには監督自身も来場されるようです。
■みなみ会館HP
タグ :みなみ会館