2011年02月08日
『東京島/桐野夏生』

『東京島/桐野夏生』(新潮文庫)を読了。
小学生時分に『十五少年漂流記』を読み、アニメ『家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ』を観て以来、無人島にたいする無垢な憧憬がずっとあって、よゐこの無人島生活もうらやましくてしようがありません。なので、好きな作家のひとりである桐野夏生が無人島ものを書いたことを知ったときは、けっこう期待したのです。
で、ようやく『東京島』を読んだのですが、ちょっとものたりません。桐野夏生の本を読むと、日常のすぐ隣りで進行する不安や、どこにでもいそうなひとの持つ真っ暗な暗闇に背筋が寒くなるのですが、無人島という非日常のシチュエーションでは、生きる欲望や、食欲、性欲が普通に優先されるのがどうも詰まらないのです。
やっぱり無人島は大人になってからよりも少年時代に行きたいものです。恋愛とかセックスが絡むとややこしいです・・・。生きることと、脱出することにすべての力と知恵を使いたいものです。
そういえば、今日2月8日は『十五少年漂流記』のジュール・ヴェルヌの誕生日で、グーグルのロゴは『海底二万里』のノーチラス号を模したものになっていましたね。