2009年05月16日
ヒッピーに捧ぐ

『シングル・マン/RCサクセション』
みなみ会館の映画上映を主催するRCSの会報が届いた。会報に忌野清志郎の死に関するコメントがはいっているのだがRCSの名前がRCサクセションに由来していると書いてあった。
RCSのひとも清志郎の歌に後押しされて、ずっと頑張ってきたのだ。
そういえば清志郎の描く歌詞はすごく映像を喚起させるものがある。わずか4~5分のポップ・ミュージックが2時間の長編映画のようにストーリーを感じさせる。
市営グランド駐車場に停めた車のなかの恋人同士が過ごした一夜の思い出を歌う「スローバラード」。悪い予感のかけらもないさ(不安に押しつぶされそうなのを抗っているようにも聴こえる)と、情感たっぷりに歌われる。
バンドマンとの恋の逃避行は「ラプソディ」。音楽が好きな高校生の日常を歌う「トランジスタ・ラジオ」。すべての労働者に捧ぐ格差社会先取りソングの「いいことばかりはありゃしない」。僕と彼女と友人お日隅くんのことを「去年の今頃」、「日隅くんの自転車のうしろに乗りなよ」、「ぼくの自転車のうしろに乗りなよ」の三つの歌もなかなかだ。
他にもたくさんたくさんあるのだけど、映画にしたいRCソングナンバー1ははやはり「ヒッピーに捧ぐ」だ。
いつもと同じ朝。かわらない日常。だけど友だちは死んでしまってもういない。それでも続くコンサート。死を受けとめるバンドマンとコンサートの対比が見事だ。ほんとに誰か映画にしないかな。主演は今なら断然、松山ケンイチだ。で死んでしまうのは峯田だ(逆でも可)。
RCの歌の映画化はともかく初期のRCサクセションから復活ライブまでを網羅するようなドキュメンタリー映画はいつかきっと作られるだろう。ジョー・ストラマーの『VIVA JOE STRUMMER』やイアン・カーティスを追った『JOY DIVISION ジョイ・ディヴィジョン』のように。ディランの『ノー・ディレクション・ホーム』のように(続編はいつ?)。
そんな映画、今観たら泣いてしまいそうだけど・・・。
そういえば僕は未見なのだが、ラフィータフィー時代のライブを追ったドキュメント映画『不確かなメロディー』があったはずだ。今度レンタル屋さんで探してみよう。みなみ会館で追悼上映はしないかな?