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2012年05月10日

『恋するクソ野郎』



ガケ書房で手にした映画のちらしがあまりにステキだったので、久しぶりにみなみ会館へ。

『恋するクソ野郎』は片思いの女性を映画の主演にキャスティングし、自分の想いを伝えようとする学生映画監督の妄想と純愛の物語だ。劇中劇として撮影の進む映画と、その過程のメイキングドキュメンタリーが交互に進行していく構成は、かなり達者で、ぐいぐい引き込まれる。

監督の恋は、最初ピュアなものとして描かれる。映画好きの彼が、ひとりで観に行った映画館(みなみ会館!)のオールナイト上映で、映画好きの知り合いに偶然出会うなんて、理想の恋だ。昔も、今も基本的にひとりで映画を見ている僕にはわかる。映画館の恋は全映画オタク男子の尽きない憧れであり、妄想なのだから。

で、メイキングのシーンは途中から演出が過剰になっていく。それはドキュメンタリーとして観客を欺いていた仮面を、意識的にはぎとっていく演出だ。ちょっと下品で、作為的なシーンがいくつかはさみこまれる。ピュアな想いを胸に秘めていた監督は文字通り“恋するクソ野郎”でしかなくなる。

そしてクランクアップを迎える映画撮影と共に、監督の恋は失笑(爆笑ではなく・・)で大団円を迎える。

だいたい谷口監督は、好きになった女性をキャスティングしながら、実は長年付き合っていた彼女がいるのだ。ピュアと紙一重の変態を装い、「映画館の恋」に恋しながら、けっこうリア充だったりする。学生でありながら、おもしろい映画を作り、評価されている谷口監督は、別にモテナイ君でも臆病な映画オタクでもなんでもない。昔から連綿と続く映画を契機に女優と結婚する映画監督の下心を戦略的に描く確信犯に違いないのだ。



今回の上映は京都の若手監督を特集した「Mögen Sie Kino? 映画は好きですか?」の中のひとつで、併映は京都造形大の坂井圭絵監督の『ラブホテル』でした。

上映のあと、両監督と『ラブホテル』の主演女優片岡 春奈さんを交えたトークショーもあって充実の企画でした。平日の上映にもかかわらずトークショーが終わるのが終電間際だったのは、ちょっと冷や汗ものだったのですが、京都には造形大と立命館、精華大らなど映画に関わる学部があって、若い才能に映画ファンが触れることができるみなみ会館らいし好企画だったと思います。ひともたくさん入っていたし・・・。

『恋するクソ野郎』予告編
京都みなみ会館HP  


Posted by もり at 23:00Comments(0)シネマ