2008年04月15日
カラー化!
月1のペースで送られてくるみなみ会館の上映予定リーフレットがカラーになりました。A4の三つ折りになって少しサイズは小さくなったのですが、キャプションの画像がカラーになって格段に見やすくなりました。カラー2色刷りも趣きがあってよかったのですが、RCSの前向きな変化に拍手です!
表紙にピックアップされているガス・ヴァン・サント監督の新作「パラノイドパーク」がもちろんこの春のみなみ会館のイチオシなのでしょうが、僕がもっとも気になったのは「タクシデルミア ある剥製師の遺言」です。
ハンガリーの若き剥製師と、兵士だった祖父、大食いアスリートだった両親。その3代目に渡る仰天人生を綴ったおとぎ話。確信的な美意識、鋭い風刺、過剰な描写、そのいずれもがたんなる“前衛”にとどまらない驚嘆の突然変異映画!!
えーと、こういうのが僕のど真ん中の直球ストライクです。見逃す手はありません。ホームラン狙いで大振りしてやります。空振りすることもありますが、これはきっと大丈夫です。僕の選球眼もこの手のものには敏感なのです。上映は5月下旬からなので、まだちょっと先のことなのですが、HPを見てもかなり期待は高まります。
ちなみに今月のいちおしはハーモニー・コリン監督の「ミスター・ロンリー」。こちらはマイケル・ジャクソンのそっくりさんとマリリン・モンローのそっくりさんのピュアなラブ・ストーリー。ハーモニー・コリン監督にはデビュー作の「ガンモ」をガツンと衝撃を受けたココロの揺れがまだ収まらないので観にいくしかありません。
■「タクシデルミア ある剥製師の遺言」HP
■「ミスター・ロンリー」HP
■みなみ会館HP
2008年04月11日
ジョイ・ディヴィジョンのふたつの映画

ジョイ・デヴィジョンのボーカル、イアン・カーティスの生涯を描いた映画「CONTROL コントロール」が明日、4月12日より京都シネマで上映されます。
23歳という若さで自ら首を吊ったイアン・カーティス。音楽をめいっぱい聴き始めた頃から既に伝説の存在でした。予告編を観るかぎり、音楽とともに、彼の女性関係がクローズアップされているようで、(僕は)うつむきかげんで歌ってるイメージの強いイアン・カーティスのイメージとそぐわないような気もするのですが、やはりこの映画はちゃんと映画館で観たいです。
実はジョイ・デヴィジョン関連の映画はもういっこあってそっちはドキュメンタリー映画です。もしかすると僕の好みはこっちの方かも。「JOY DIVISION ジョイ・ディヴィジョン」はみなみ会館で公開予定です。

■「CONTROL コントロール」HP
■「JOY DIVISION ジョイ・ディヴィジョン」HP
■京都シネマHP
■みなみ会館HP
2008年03月28日
「実録・連合赤軍」

先週、西部講堂で「実録・連合赤軍」を観ました。西部講堂の屋根に描かれた三ツ星の由来を考えると、まさに映画の上映にふさわしい場所で、当日はほんとうに大勢のひとが上映会に集まりました。
連合赤軍の起こした事件がどのようなものであったのかは、だいたいのところでは知っていたのですが、彼らの群像をなんの衒いも装飾することもなく真正面から描いた映画でした。
連合赤軍のおこした事件は極めて悲惨です。雪山のなかのほったて小屋のなかでの出来事は決して思想的なものが原因ではなく、閉鎖された環境で、組織を維持するための行動が、次第に狂気をはらみながらエスカレートしていく過程で起こったものでした。
そして彼らがそこへ至る長い道のりも足早にではあるのですが、時代背景もふくめて60年安保からの流れを追っていきます(映画のパンフレットが200ページ以上もあって当時の運動の流れを執拗に記録しているのは、彼らの登場が偶発的なものではなく、必然的なことであったことを伝えたいのだと思います)。
映画の最期、あさま山荘のなかで最年少のメンバーが「勇気がなかったんだよ」となんども叫ぶシーンが深い余韻を残しました。
映画のあとのティーチ・インも興味深いものでした。若松監督の言葉はもちろんなのですが、リーダー役の地曳豪さんと並木愛枝さんの発言も非常に興味深いもので映画にいっそうの凄みを与えました。特に永田洋子役の並木愛枝さんが山小屋でのシーンを演じながら、メンバーを総括で追い込みながら、自らもメンバーらに総括を迫られる恐怖を抱えていたというのが印象的でした。
あと期待していたジム・オルークの音楽もよかったです。あさま山荘のシーンでは哀しみと胸の痛みをいっそう深いものにしていました。サントラは出ないのかな?
「実録・連合赤軍」は京都シネマで3月29日から上映。初日には再び若松監督、地曳豪さん、並木愛枝さんが来館して挨拶とティーチ・インが行われるようです。3時間をこえる長い映画ですが、まったく時間が気になることもなく映画館で観るべき映画だと思います。
■「実録・連合赤軍」HP
■京都シネマHP
2008年03月19日
若松監督も来ます!
明日は西部講堂で「実録・連合赤軍~あさま山荘への道程」の先行上映があるので観にいきます。
ベルリン国際映画祭でフォーラム部門国際芸術映画評論連盟賞と最優秀アジア映画賞を受賞した「実録・連合赤軍」。音楽を大好きなジム・オルーク(!)が担当しているのも期待です。
映画上映のあと、若松孝二監督のティーチ・イン+トークもあって、13時から18時の長丁場。
西部講堂で映画観るのはずいぶん久しぶりのことです。
■「実録・連合赤軍~あさま山荘への道程」HP
■京都シネマHP
京都シネマでの上映は3月29日から。
2008年02月10日
早く観たい!
モーリス・センダックの「かいじゅうたちのいるところ」が映画化されるというニュースを聞いたのは2006年5月のこと。しかも監督はあのスパイク・ジョーンズだということで、期待が膨らんでしようがなかったのですが、それっきり音沙汰がなかったので、いったいどうなってるんだろうと思い調べてみると、こんな素敵な画像を見つけました。


絵本の世界が忠実に映像化されてるみたいで、期待の風船はさらに膨らんでかいじゅうたちの住む島の方へ飛んでいってしまいました。早く観たくてしようがありません。公開は2009年だって。まだ一年も先です。


絵本の世界が忠実に映像化されてるみたいで、期待の風船はさらに膨らんでかいじゅうたちの住む島の方へ飛んでいってしまいました。早く観たくてしようがありません。公開は2009年だって。まだ一年も先です。
2008年01月15日
「GRINDHOUSE U.S.A.バージョン」

「GRINDHOUSE U.S.A.バージョン」
「GRINDHOUSE U.S.A.バージョン」を観てきました。今年最初のみなみ会館です。
ロバート・ロドリゲス監督の「プラネット・ホラー」とタランティーノ監督の「デス・プルーフ」、さらにフェイク予告編4本付きの191分。3時間超の間、息つく暇のないジェット・コースタームービーでした。
苦手なゾンビ(ぷんぷん匂ってきそうな)が容赦なく出てくる「プラネット・ホラー」。身体中がグジュグジュに溶けたり、疱瘡状にふくらんだり、さらに膿が垂れ流し状態で、気持ち悪くてしようがありません。12月に観た「ゾンビーノ」の顔色が悪いだけゾンビとはお金のかけ方が違います。
ヒロインはゾンビに襲われ右脚を失うのですが、思いきってそこにマシンガンを装着します。たぶんロドリゲスがしたかったのはそこだけです。だって誰も想像つかないから。失った太ももの骨に響きそうで、ひどく歩きにくそうだったのが印象的でした。
ゾンビを景気よく右脚のマシンガンでぶっ飛ばすヒロインの気持ちよさそうで、ちょっと薬師丸ひろ子に通じるものあり(かいかん・・・、です!)。
最初から最後までテンションがあがりっぱなしだった「プラネット・ホラー」と違って「デス・プルーフ」は静かに幕をあけます。タランティーノ好みのピンナップガール(風)達のとりとめのない会話が続きます。どうでもいいような会話を観ている間に「レザボアドッグス」で語られた「小話はでテティールにこだわれ」というセリフを思い出します。大筋とはまったく関係のない日常的な会話が続いた果てに突然、物語は動き出します。感情の底でずっと貯まっていた不穏な空気を全部掬いとって、いきなりテンションが最大級まで振り切られ、天井を抜けて爆発します。
一度あがりきったテンションは再び底の方に沈むのですが、そこまで来ればタランティーノの手管にはまったも同然です。終盤の執拗なカーチェイスに興奮は絶頂のまま映画館を出ることになり、僕は家に帰る途中、原付にもかかわらずひとり「バニシング・ポイント」状態でした。
それぞれがもう少し長尺になる本編も、併せて観たいのですが、予告編だけの「マチェーテ」や「ドント」も気になってしようがありません。
■GRINDHOUSE HP
日本の公式サイトは上映館の情報しか残っていなかったので、アメリカの公式サイトにリンクをはりました。映画館にはいっていくような仕掛け付。
■みなみ会館HP