2011年06月12日
『NARUTO 巻ノ56 〜再会、アスマ班〜/岸本 斉史』

55巻から1ヶ月半の短いインターバルでナルトの56巻がリリースされました。週刊連載恐るべしです。数年に1回しかアルバムをリリースしない海外のアーティストと比較すると明らかに日本のマンガ家は働き過ぎです。この巻のように今後のストーリーへの伏線もなく、新しいキャラが活躍の場を与えられるだけ戦闘シーンが延々と続くのも仕方がないのかも知れません。
前巻からの第四次忍界大戦の戦闘シーンが続くだけで、それ以上のことは起こりません。九尾のチャクラをもつ金角銀角のコンビも、忍刀七忍衆よりもキャラとしてはたっているのに、大戦の中のひとつのシーンでしかないので、わりとあっさりやられてしまいます。だいたい穢土転生で甦っているだけなので、彼らが与えられたシーンは最初から限定的です。そしてアスマを生き返らせたばっかりに、アスマ班の戦いが描かれるのですが、金角銀角以上に全く意味がありません。チョウジの成長なんか今さらどうでもいいです。それとも彼の成長がナルトとサスケ、マダラと九尾の関わりになんらかの影響を及ぼすことがあるのでしょうか。
とにかく忍者が多過ぎます。うじゃうじゃ多過ぎて、うっとおしいくらいです。そんな中で侍大将であるミフネだけが、この巻のなかで真剣の輝きを魅せてくれます。五影会議のときに初めて出てきたときには、また中途半端な顔のキャラが出てきたと思ったのですが、こういう脇役にちゃんと個性のあるエピソードを描くことがナルトの物語に歴史と深みを与えています。
ようやく修行を終えて、戦線に復帰するナルトに期待するしかありません。そしてイタチの眼を移植され、しばらくその姿を見ないサスケはどんな風に変わるのでしょう?