2008年05月19日
『非現実の王国で 〜ヘンリー・ダーガーの謎〜』を観た

予告篇に惹き付けられてみなみ会館で『非現実の王国で〜ヘンリー・ダーガーの謎〜』で観てきた。
ヘンリー・ダーガーは1973年にシカゴで死んだ異端のアーティスト。物静かな清掃人として大家や隣人に認識されていた彼の部屋から、その死後に発見されたのは15,000ページを超える物語の原稿と数百枚にわたる挿絵の数々でした。
『非現実の王国で』はその物語の題名で、子どもを奴隷として虐待する邪悪な大人の男たちグラデリニアンと、子どもたちを救うべく立ち上がった七人の無垢な少女“ヴィヴィアン・ガールス”の戦いを描いたものだ。
映画ではヴィヴィアン・ガールズがNHK教育の「テレビ絵本」のようにアニメーション加工され動き、彼の謎に包まれた生涯とその絵画の手法について語られるドキュメンタリーになっている。どこかで見たことのあるような彼の絵は新聞・雑誌のイラストや写真のトレースやコラージュなどの手法が繰り返し使われており、「非現実の王国」がもつ不思議な既視感をつくりあげている。
映画は彼の妄想がつくりあげた長い物語と生涯を追ったドキュメンタリーがわずか82分にまとめられている。ヘンリー・ダーガーというアーティストに興味の一端を持つには十分かも知れないが、『非現実の王国で』の全貌をもっと知りたいという気持ちももやもやと残ってしまった。
■『非現実の王国で 〜ヘンリー・ダーガーの謎〜』HP
■みなみ会館HP
Posted by もり at 02:47│Comments(0)
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