2011年02月19日
『僕たちは歩かない/古川日出男』

『僕たちは歩かない/古川日出男』(角川書店)を読了。
1日が26時間ある世界を発見した若者たちの冒険譚。通常の世界よりも2時間長い世界に迷い込み、仲間を見つけ、その2時間を純粋に自分たちの成長のために使う若き料理人たちが主人公です。今の日本で成長すること、アイデアを練ること、技術を磨くことに意識的で、その総数が適度に多く、異なった世界で偶然に出会う確率が高いのは、マジメに料理に取り組んでいる若者たちなのでしょう。時代が違えば、それはバンドマンだったり詩人や画家だったりするのかも知れません。
かってそうした若者のひとりだった老画家との出会いと、仲間との別れが描かれているのだけど、古川日出男はそのストーリーの中心だけを綴っていきます。各キャラクターの造形を掘り下げたり、普通の世界での彼らの世界との関わりを描けば長編にすることは比較的簡単そうに思えるのですが、古川日出男もすべてを極力研ぎ澄まして中編に仕上げています。
僕にとって、古川日出男は枝葉末節が豊かに拡がるめくるめく長編が魅力なので、ちょっと物足りない本でした。
Posted by もり at 23:20│Comments(0)
│ホン