2013年02月23日
『NARUTO 巻ノ63 〜夢の世界〜/岸本 斉史』

ついにトビの正体が明らかにされました。うちはオビトだろうことは、前巻でカカシの写輪眼と同じ眼を持っているということから間違いなかったのですが、非常に残念です。今さらオビトなんかに出てきて欲しくはなかったのです。
オビトとトビの名前の近似はミスリードを誘うためであり、トビの名前の由来については十尾(とび=じゅうび)の方がピンときました。実はそっちがミスリードを誘うためのものであり(というかそれも含めて周到に名づけられたのですね)、そのために僕はトビ=六道仙人ではないかと、ひとり想像してしまいました・・・。
正体が明らかにされ、オビトがトビ=マダラを騙るようになった過程が足早に回想されます。オビトは神無毘橋の戦いでの瀕死の状態から、マダラに柱間の細胞を移植されたことにより蘇りました。そして、リンの死をカカシの写輪眼を通して視たことにより共に万華鏡を開眼し、夢の世界をマダラと作ることを決意するようになります。
カカシがリンを殺さなければならなかった理由はまだ伏せられいます。おそらくはこの後、カカシとの戦いの最中にその真相が知らされ、オビトは改心するに違いありません。ジャンプが掲げる「友情」が取り戻されるに違いないのです。「みんなともだち」とか、もううんざりです。少年マンガ的な生ぬるい展開は必要ありません。トビはオビトではなく、トビとして倒されて欲しいものです。あのちゃらけたキャラと不遜な態度のギャップ、絶対に傷つかない術こそがトビの魅力だったのに仮面を外した彼にその魅力はもう残っていません。
そんな穿った見方しかできない僕ですが、マダラのアジトで意識を取り戻してすぐに「写輪眼は左右揃って本来の力を発揮するのだ」と云われ「オレがカカシと揃えばより強くなれるってことじゃねーか!」と素直に呼応するオビトの健気な気持ちは、ちょっと応援したくなりました。今後の展開の中で大切なキーワードになるに違いありません。