デビシルとミハルとガンダム展
デイヴィッド・シルヴィアンといえば、いまだに元ジャパンといった方が通りがいいのがどうかわからないけれど、この頃、ソロになってからの彼のアルバムをよく聴いています。
ジャパンの頃はとにかくその美しさで田舎の中学生女子にまで大人気でした。VIVA ROCK(ビジュアル系洋楽雑誌)でみたピンナップと同じポーズで中学生男子も写真を撮ってたりしました。たぶん当時の中学卒業アルバムにはそんなの恥ずかしい写真がいっぱい載ってるはずです。
当時からほぼ20年たってデビシルの声が僕の乾いた身体によく沁み入るようになりました。そのルックスとはうってかわって、ちゃらちゃらとしたところがいっさいない彼の老成した穏やかな声に癒される日々です。
ソロになってからの彼のアルバムは当時は地味な印象しか残らなかったのに、今ではその声と相まって豊かな滋味のある音として、ココロの深いところまで届いてきます。
「secrets of the beehive」は1987年に発表されたソロ4作目。なかでも
「レット・ザ・ハッピネス・イン」がすばらしい。
凍てつく12月の太陽
その厳しい寒さが
働くも者の手を傷めつけ
ボロボロにしてしまう
からっぽの波止場で私は待っている
船が入って来るのを見つめながら
苦しみが収まるのを私はじっと待っている
ああ、しあわせを導きいれよう
[訳/中川五郎]
重苦しく空を覆う雲の間からわずかに日の光が射すようなささやかな幸福感に包まれた名曲です。
この歌を聴いて僕はミハル・ラトキアとベルファストの港を思い出しました。ジオン軍のスパイとしてホワイト・ベースに密航したミハルとカイ・シデンの悲しい恋のエピソードです。大西洋上であっけなく死んでしまったミハルを、彼女の幼い妹弟らはずっとベルファストで待ち続けたに違いありません。
その後の彼らは
wikipediaによると、妹ミリーは誘拐されて行方不明。弟ジルはムラサメ研究所に拾われ強化人間の被験者としてなり、サイコ・ガンダムの実験中に死亡したそうだ・・・。
あまりに不憫な彼らの人生にしあわせを導くことはできなかったのでしょうか・・・。
そんなデビシルとはまったく関係のないことを考えてしまうガンダム世代の僕に嬉しい知らせが。去年、大阪で開催された
「GUNDAM ~来たるべき未来のために」展が京都国際マンガミュージアムで2月6日から始まります。これはぜひ見に行かねば。
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京都国際マンガミュージアムHP
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