お土産は大手饅頭。
四国へ帰省しているにもかかわらずお土産はJR岡山駅で買うことが多い。今回、会社用に買ったのは大手饅頭。内田百閒も愛した備前岡山の名物なのだ。
私は今でも大手饅頭の夢を見る。ついこないだの晩も同じ夢を見たばかりである。東京で年を取った半生の内に何十遍大手饅頭の夢を見たか解らない。
「古里を思う」
私は度度、大手饅頭の夢を見る。大概は橋本町の大手饅頭の店に這入って、上り口に腰を掛けて饅頭を食ふ夢である。
早くから店を仕舞ふと云ふ事を、子供の時に覚えてゐるので、夢はいつでも、もう無くなりさうで、間に合はないから、大急ぎと云ふ、せかせかした気持がする。
「御馳走帖」
夢か現かわからないもやもやした文を書かせたら随一の内田百閒はボクの最も好きな作家です。
大手饅頭は甘酒を練り込んだ薄皮でたっぷりの餡を包んでいて、甘酒のコクが餡と調和してうまかったのだ。
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備前名物・大手饅頭
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