岳(2)/石塚真一
「岳/石塚真一」の2巻が発売された。連載時にほとんど読んでいるのだが、単行本になり、一気に読み通してまた3回くらい泣きそうになった。
「岳」は山岳救助の物語。
山は人間よりずっと大きいので、ときに容赦なく人の命を奪う。本気の山にはどうしたって敵わない。だけど、本気で山に向かう登山という行為のなかで、ちっぽけな命がきらきらと輝く。そのことを知っているから主人公=三歩は強い。人は、無力だからこそ、山に登るのだ。そして生きているからこそ、再び山に登ることができる。
だから三歩は、ひとりでも多くの命を救おうとする。全てのひとが山に登れるように。
救われる命があるように、失われる命も、もちろんあって、読者の感傷など無視するかのように人が死んでいく。その分、救われた命に対する感動は大きいのだ。
ビックコミックオリジナル増刊号で連載中。ビックコミックオリジナルでも不定期に掲載されてます。
関連記事