斑猫
日曜の釣りの途中、渓流の岸辺でハンミョウを見つけました。近づくとパッと羽根をひろげ、少し先に逃げていきます。何度かチャレンジしてそっと近づき、解像度を目一杯にあげて撮りました。色鮮やかで艶のあるハンミョウです。
ハンミョウは漢字にすると斑猫と書きます。必要以上に派手な模様に“まだらねこ”の漢字を充てたのはいったい誰なのでしょう・・・?
“まだら”は古い言葉で奈良時代に編まれた万葉集にも出てきます。
*月草に衣そ染むる君がため斑の衣摺らむと思ひて
*春は萌え夏は緑に紅の斑に見ゆる秋の山かも
“まだら”は不思議な語感をもっていて、気になる言葉です。万葉集に使われているなど、ほんの数分前まで知らなかったことですが、昔から知っているのはコナン・ドイルの「まだらの紐」です。シャローック・ホームズが活躍する推理小説の古典ですね。名探偵ホームズものの中でも最も読まれている作品ではないでしょうか?
ここでの“まだらの紐”とは毒蛇のことです。
そして“まだら”と云えば忘れられないのは“まだら狼”こと上田馬之助です。
昭和50年代に少年時代を送りアントニオ猪木は至上最強だと信じてやまなかったひとのほとんどがタイガー・ジェット・シンに寄り添い、極悪非道残虐無比の振る舞いで会場を沸かせていた上田馬之介の姿を強烈に焼き付けているに違いありません。当時は真剣に日本人なのに、どうしてこの人はこんなに悪いんだろうって思ってました。日本人レスラーはみんなベビーフェイスだと思っていただけに上田馬之助の存在は強烈にインパクトに残っています。
ところでハンミョウは英語ではTiger Beatleと表記します。斑猫と同じようにネコ科の動物の名前が使用されているのが、やっぱり不思議ですね。
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