「GRINDHOUSE U.S.A.バージョン」

もり

2008年01月15日 03:00


「GRINDHOUSE U.S.A.バージョン」

 「GRINDHOUSE U.S.A.バージョン」を観てきました。今年最初のみなみ会館です。

 ロバート・ロドリゲス監督の「プラネット・ホラー」とタランティーノ監督の「デス・プルーフ」、さらにフェイク予告編4本付きの191分。3時間超の間、息つく暇のないジェット・コースタームービーでした。

 苦手なゾンビ(ぷんぷん匂ってきそうな)が容赦なく出てくる「プラネット・ホラー」。身体中がグジュグジュに溶けたり、疱瘡状にふくらんだり、さらに膿が垂れ流し状態で、気持ち悪くてしようがありません。12月に観た「ゾンビーノ」の顔色が悪いだけゾンビとはお金のかけ方が違います。
 ヒロインはゾンビに襲われ右脚を失うのですが、思いきってそこにマシンガンを装着します。たぶんロドリゲスがしたかったのはそこだけです。だって誰も想像つかないから。失った太ももの骨に響きそうで、ひどく歩きにくそうだったのが印象的でした。
 ゾンビを景気よく右脚のマシンガンでぶっ飛ばすヒロインの気持ちよさそうで、ちょっと薬師丸ひろ子に通じるものあり(かいかん・・・、です!)。

 最初から最後までテンションがあがりっぱなしだった「プラネット・ホラー」と違って「デス・プルーフ」は静かに幕をあけます。タランティーノ好みのピンナップガール(風)達のとりとめのない会話が続きます。どうでもいいような会話を観ている間に「レザボアドッグス」で語られた「小話はでテティールにこだわれ」というセリフを思い出します。大筋とはまったく関係のない日常的な会話が続いた果てに突然、物語は動き出します。感情の底でずっと貯まっていた不穏な空気を全部掬いとって、いきなりテンションが最大級まで振り切られ、天井を抜けて爆発します。
 一度あがりきったテンションは再び底の方に沈むのですが、そこまで来ればタランティーノの手管にはまったも同然です。終盤の執拗なカーチェイスに興奮は絶頂のまま映画館を出ることになり、僕は家に帰る途中、原付にもかかわらずひとり「バニシング・ポイント」状態でした。

 それぞれがもう少し長尺になる本編も、併せて観たいのですが、予告編だけの「マチェーテ」や「ドント」も気になってしようがありません。

GRINDHOUSE HP
日本の公式サイトは上映館の情報しか残っていなかったので、アメリカの公式サイトにリンクをはりました。映画館にはいっていくような仕掛け付。

みなみ会館HP


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