「シーボルト日本植物誌」とプラントハンター

もり

2007年12月29日 10:15



 江戸時代末期に西洋医学を日本に伝えたシーボルトが日本の植物を紹介した「日本植物誌」が文庫化されました。とにかく美麗な植物の彩色画がすばらしすぎます。文庫本サイズなのが残念なのだけれども、150点に及ぶ植物画を眺めていると年末にささくれ立ったココロが癒されます。

 ヨーロッパにはじめて日本の植物を紹介したこの書物は、当時かなり評判になったようです。その頃、アジア各地や南北アメリカ大陸の植物を収集するプラントハンターと呼ばれるひとがいて、薬草や食料になるものから観賞用の花など新種の植物を探し、ヨーロッパに持ち帰っていました。

 大航海時代から近代にいたるまで、未知の植物を求め世界を旅したプラントハンターは現在もなお、癌治療やダイエットなんかに有益な物質を抽出できる植物を探し続けています(○○○茸とかね)。

 シーボルトの「日本植物誌」の原本は京都大学にもあって、電子図書館で公開されているので、こちらも要チェック。
日本植物誌 Flora Japonica
京都大学電子図書館

     

 植物画といえば、9月に出版された「南方熊楠菌類図譜」が欲しくてたまりません。天才、南方熊楠が描いたキノコ類が120点。熊楠が自身の研究にもちいたフィールドノートからピックアップした図譜はアート以外のなにものでもなく、本屋で少し見ただけなのですが、熊楠の宇宙に深く引きずり込まれるようで、おそろしい気持ちがしました。


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