『暗殺の森』を観た

もり

2011年03月10日 23:58



みなみ会館でベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺の森』を観るのは2回目だ。

はじめて観たときもダンスホールでのシーンに僕は目もココロも奪われた。そこだけで『暗殺の森』は特別な映画として記憶されていた。そして今回も僕は、ダンスホールの中で織りなされるのは官能に全てを奪われた。そこには華やかさと陰、真実と嘘、未来と過去、孤独と群衆、熱狂と静寂、男と女が表現されていた。

約2時間の緊張と弛緩を含んだドラマはすべてこのダンスシーンの為に用意されたのだ。そのあとの暗い森のなかでの暗殺シーンはおまけのようなものだ。そのシーンに登場する大勢(30名以上はいるのだろうか?)の役者の動き、目線、表情、感情は綿密に演出されカメラは監督のイメージ通りに全てを捉えていく。完璧というのはこのシーンの為にある言葉なのだと思う。死ぬまでにまだ何回でもスクリーンで観たいと思う。

いやはや。映画は総合芸術だというけれど、僕は『暗殺の森』のこのシーンこそ総合芸術のひとつの到達点だと断言するのだ。

 

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