フライの雑誌のバックナンバー、そして80年代とロック

もり

2011年01月28日 23:57



某オークションサイトで「フライの雑誌」のバックナンバーを落札。1986年創刊号から90年代中頃までの30数冊が届きました。

創刊号をパラパラとめくっただけなのですが、まったく古い感じがしません(巻頭の島崎憲司郎氏や水口憲哉氏はずいぶん若いけど)。マテリアルやツールの進化はあっても、フライという水生昆虫を模した毛針で魚を釣るという行為には違いがないからなのか、僕自身の釣りがまったく変わらないからなのか・・・。

1986年頃の僕は田舎で退屈な高校時代を過ごし、自分は周りとは違うのだと(単に自意識が過剰なだけな詰まらない高校生でしかないのですが)、FMラジオから流れてくる洋楽ロックに興奮し、ロッキンオンを読み始めた頃でした。

当時のロッキンオンは既にメジャー誌だったのですが、編集者も含めた読者の投稿記事の、そのひとの生活と切り離せないようなロック観にうなずきながら隅から隅まで読んでいました。

「フライの雑誌」のテキストは当時のロッキンオンに似た匂いを感じます。既存のメディアにおもねるのではなく、釣りですら自己表現であるという矜持。ロックに思い詰める若者のような過剰な自意識と孤独を見つけ、僕はときに共感し、その若さと苦さを噛み締めます。

とにかく読み物として、単純に楽しいので、しばらくはまた夜更かししそうです。

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