「内田百閒の自選作品」
ブックオフで敬愛する内田百閒の古い本を見つけた。
『内田百閒の自選作品 現代十人の作家1』(二見書房)。昭和47年に限定2000部で発行されたもので、僕の購入した本は820番になっている。百閒は昭和46年4月20日になくなっているので、この本は死後に刊行されたことになる。自選の作品は、生前の備忘メモを元に編纂されたようだ。
40年近く前の本とは思えないほど、本がきれいな状態なのは二重の箱に守られていたおかげか、限定本故に書庫の奥に大事にしまっていた為なのだろうが、本当の理由は帯の惹句に戦いてしまったのでは、と思うほど大げさな調子で、今となってはそれがおかしい。
「その精確、その緊張。ここに文章
表現の極北がある。恥ずべき文章
の荒廃に堕ちた現代人は、もう一
度この恐ろしい人と会うべきだ!」
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