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もりのおく
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森の奥で考えたこと
ja
Wed, 12 Aug 2015 18:28:14 +0900
Sun, 28 Apr 2013 13:09:05 +0900
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夏の古本まつりと帰省
昨日からお盆休みなので、下鴨神社で開かれている夏の古本まつりに行ってきました。
今年は均一台でもぼちぼち気になる本をひらうことができ、いつものように釣りの本と、古本の本などでデイパックはいっぱいになりました。
今年の目玉は昭和五年に刊行された日本地理大系の山岳篇です。背のところがボロボロで表紙まわりの状態はよくないのですが200円だったので文句はありません。
写真も多く、執筆陣もなかなか豪華で、じっくり時間をかけて読みたくなるような図鑑です。
執筆陣の名前は、今でも岩波や中公文庫で見ることができる当時のオールスターといった感じです。
気になったのは、北アルプスや南アルプスらの項目と並んで台湾の山岳、朝鮮の山岳という項目があるということです。侵略して支配し、日本の国土ということになってたんですね…。
今日はこれから新幹線に乗って帰省します。
https://lkv.kyo2.jp/e471693.html
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ホン
Wed, 12 Aug 2015 18:28:14 +0900
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フィッシュ・オン!!!!!
ずっと探していた開高健のフィッシュ・オン、朝日新聞社版を某ブックオフで入手しました。古い本なので、ブックオフらしい値段がつけられており、まったく躊躇しませんでした。
このブログの記事タイトルには感嘆符を五つ付けたのですが、本当は20個くらい付けたい気分でした。
今年は知恩寺の古本まつりで欲しい本が全然見つからなくて、モヤモヤした気持ちを抱えていたのですが、この一冊で溜飲を下げました。
釣り人の多い有名河川の、僕だけが知ってる秘密のポイントで尺物を釣ったような気分です。今年はこれだけでいいです。不満は一切ありません。大満足です。
https://lkv.kyo2.jp/e456714.html
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ホン
Mon, 24 Nov 2014 11:34:18 +0900
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下鴨納涼古本まつり
台風の影響で今日が初日となった下鴨神社の古本まつりへ行ってきました。
昼前から、長時間うろうろしてまたたくさん買ってしまいました。
ブルータスの創刊三号に、ナボコフが二冊と翻訳家のムック、滝本誠の映画評論、中島梓のSF評論、開高健、中沢新一、ディランの伝記に釣りの本と、古い山の本などなど、です。
https://lkv.kyo2.jp/e450655.html
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ホン
Tue, 12 Aug 2014 17:13:54 +0900
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百万遍、秋の古本まつり
連休の初日、百万遍の知恩寺で31日からはじまっている秋の古本まつりに行ってきました。
春も夏もいいのだけど、やっぱり秋のがいちばん安いです。
今日は釣り関連の本が買えたのでなかなかの収穫です。まだ出版されて間もない背畑雄三の釣りのエッセイや、湯川豊が編んだ釣りのアンソロジーをはじめ、バラードや中井英夫の文庫、それに吉本隆明と坂本龍一の音楽機械論など、またまた秋の夜長がさらに長くなりそうです。
https://lkv.kyo2.jp/e430704.html
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ホン
Sat, 02 Nov 2013 14:26:36 +0900
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下鴨納涼古本まつり
春の古本まつり以来のブログ投稿は、夏の古本まつりです。
開場時間にあわせて下鴨神社の糾の森にでかけ、ほぼ4時間丁寧にみてまわったのに、今年の成果はたったの四冊。ブライアンイーノの日記を発見したときはテンションがあがったのですが、あとは車谷長吉と松浦寿輝と釣りの本と、消化不良なのは否めません。
北海道に行く予定はまったくないのに、北海道の湖と渓流を購入しました。ところどころ書き込みがあります。道南の落部川の案内ページでは、昭和52年7月1日ウグイ28・32、イワナ17・12計4匹と記されていて、ちょっと残念な結果だったみたいです…。
最終日にもう一回行きたいところなのですが、今年は13日から16日まで実家に帰る予定なので、次の百万遍の古本まつりまでおあずです。
https://lkv.kyo2.jp/e422949.html
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ホン
Sun, 11 Aug 2013 15:28:14 +0900
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春の古本市
みやこめっせで開催されている「春の古本市」。約二時間、ぐるっとまわって9冊購入。中上健次に小島信夫、葛西善蔵、上林暁、内田百閒関連の文庫、スティーブ・エリクソンに、ボルヘスとソンタグ。それに佐々木敦となかなか良い買い物ができました。あとは釣り関連の本があれば完璧でしたが、ピンとくるのが見つかりませんでした。
いつか全部読めるといいな…。
https://lkv.kyo2.jp/e413500.html
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ホン
Fri, 03 May 2013 19:33:11 +0900
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「山女魚・岩魚・鮎/高野三郎」
「山女魚・岩魚・鮎~渓流釣りの技術と釣り場~/高野三郎」(鶴書房)
昭和39年に発行された古い渓流釣りの本を手に入れた。暗いトーンの渓流の写真に、白抜き太明朝の「山女魚・岩魚・鮎」も装丁がなかなかいい雰囲気だ。「山女魚・岩魚」と「鮎」の章に分かれていて、それぞれに釣り方と釣り場紹介で構成されている。
ざっと目を通していると、何故か本文テキストにいくつかの釣り記号が使われていて、なんだか奇妙で読みにくい。「竿」「ハリ」「オモリ」「ウキ」「餌」の五つに記号が当てられている。そして何故だか「餌」の記号には毛針が使われている。川虫やミミズ、イクラの生き餌の紹介のところで、さんざん「毛針の記号(=餌)」をつかっておきながら、申し訳程度にページを割かれている毛針釣りのコーナーでは毛針と書くところをわざわざ“毛「ハリの記号」”と表記してある。記号の使い方は徹底していて、鮎の章でも“主として石垢を食「餌の記号(=どうみても毛針だ!)」として・・・”とあって、記号の表わすイメージと文脈から想像できる言葉がねじれて、テンポよく読めないこと甚だしいのだ。
きっとこの高野三郎というおっさんが無理を通し、編集者を困らせたに違いない。それとも当時はこういう表記が流行っていたのだろうか・・・。
今週にはいってから急に温かくなった。今日も20度を超えているはずだ。ようやく川の様子が気になる季節になってきた。今年の釣りシーズンもいよいよ開幕だ。
https://lkv.kyo2.jp/e405008.html
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ホン
Sat, 09 Mar 2013 20:18:00 +0900
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『NARUTO 巻ノ63 〜夢の世界〜/岸本 斉史』
ついにトビの正体が明らかにされました。うちはオビトだろうことは、前巻でカカシの写輪眼と同じ眼を持っているということから間違いなかったのですが、非常に残念です。今さらオビトなんかに出てきて欲しくはなかったのです。
オビトとトビの名前の近似はミスリードを誘うためであり、トビの名前の由来については十尾(とび=じゅうび)の方がピンときました。実はそっちがミスリードを誘うためのものであり(というかそれも含めて周到に名づけられたのですね)、そのために僕はトビ=六道仙人ではないかと、ひとり想像してしまいました・・・。
正体が明らかにされ、オビトがトビ=マダラを騙るようになった過程が足早に回想されます。オビトは神無毘橋の戦いでの瀕死の状態から、マダラに柱間の細胞を移植されたことにより蘇りました。そして、リンの死をカカシの写輪眼を通して視たことにより共に万華鏡を開眼し、夢の世界をマダラと作ることを決意するようになります。
カカシがリンを殺さなければならなかった理由はまだ伏せられいます。おそらくはこの後、カカシとの戦いの最中にその真相が知らされ、オビトは改心するに違いありません。ジャンプが掲げる「友情」が取り戻されるに違いないのです。「みんなともだち」とか、もううんざりです。少年マンガ的な生ぬるい展開は必要ありません。トビはオビトではなく、トビとして倒されて欲しいものです。あのちゃらけたキャラと不遜な態度のギャップ、絶対に傷つかない術こそがトビの魅力だったのに仮面を外した彼にその魅力はもう残っていません。
そんな穿った見方しかできない僕ですが、マダラのアジトで意識を取り戻してすぐに「写輪眼は左右揃って本来の力を発揮するのだ」と云われ「オレがカカシと揃えばより強くなれるってことじゃねーか!」と素直に呼応するオビトの健気な気持ちは、ちょっと応援したくなりました。今後の展開の中で大切なキーワードになるに違いありません。
https://lkv.kyo2.jp/e403100.html
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ホン
Sat, 23 Feb 2013 18:29:40 +0900
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「京都ま冬のブックハンティング」
毎年、年末に一乗寺の恵文社で開催されている「冬の大古本市」が今年は左京区内の書店・古書店と連携する形で、「京都ま冬のブックハンティング」として開催されます。
恵文社の他、一乗寺の荻書房、北白川のガケ書房と善行堂、それと浄土寺にあるコトバヨネットと左京区が誇る個性的な書店が名を連ねています。特設サイトでは『「春の勧業会館」「夏の糺の森」そして「秋の知恩寺」に続く京都第四の古本祭りを目指します!』とたからかに目標(あるいは野望)をうたっています。
各店で、それぞれイベントを行うのですが、気になるのは恵文社での『横尾忠則装幀本 展示&大放出』、ガケ書房での『古書善行堂の倉庫在庫大放出500円市』とコトバヨネットで1月27日に開催される『Boseの続(俗)・脱アーカイブ宣言』でしょうか・・・。
とにかく左京区に住んでてよかった、と思わずニヤニヤしてしまう古本イベントなので、年末年始はあちこち巡ってみたいと思います。
あ、巻頭にあげたちらしもすごくいい感じです。
■「京都ま冬のブックハンティング」HP
https://lkv.kyo2.jp/e395303.html
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ホン
Thu, 13 Dec 2012 00:15:00 +0900
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『NARUTO 巻ノ62 〜皸〜/岸本 斉史』
長かった穢土転生の時代がようやく終わりました。
サスケとイタチの兄弟タッグにより、カブトはイザナギの幻術にとらわれ、穢土転生の術を解除しました。55巻から6巻あまり。ジャンプの連載では一年以上になる長い長い戦いでした。とにかく死んだキャラが蘇って戦うという昨今のゾンビブームにのっかかったとしか思えない闇の時代に終止符が打たれたのです。これからの展開に克目するしかありません。
それぞれのキャラは穢土転生の解除により塵芥に戻ったのですが、マダラは自ら術を解く形で、術の支配から逃れ(しかも柱間付き!)を五影に対峙します。
ナルト、八尾にカカシとガイを加えた4人は十尾の復活を目論むトビの面に皸をいれ、トビに術、しいてはトビの謎に迫ります。
そしてイタチに「おまえのことをずっと愛してる」と云われたナイーブな青年サスケは、第四次忍海大戦の戦線から離脱して、よりによって大蛇丸(まだ生きていた!)を復活させ、うちは一族の謎(それは六道仙人と十尾とこの世界の謎につながっているのかも?)に向かうことになりました。
サスケの動向も含め、停滞していたストーリーが進捗し大きく舵をとり始めました。これから暫くが目が離せない展開が続きそうです。
https://lkv.kyo2.jp/e389458.html
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ホン
Wed, 12 Dec 2012 23:39:00 +0900
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4日目の古本まつり
百万遍の知恩寺でひらかれている古本まつりにようやく行くことができました。
朝からゆっくりまわって買ったのはたったの四冊…。
ユリイカのラテンアメリカ文学特集、そのラテンアメリカ文学の翻訳家である野谷文昭のエッセイと、開高健の対談集。それと戦前に発刊されたモルゲンターレルの『山!』という本。
四日目のせいなのか、たった四冊ではいまいち物欲が満たされません。初日にはどんな本が並んでいたのでしょうか…。
古本まつりは明日までです。
https://lkv.kyo2.jp/e390735.html
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ホン
Sat, 03 Nov 2012 14:03:52 +0900
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『NARUTO 巻ノ61 〜兄弟、共闘!!〜/岸本 斉史』
今さら、イタチとサスケが共に戦うことに意味があるのでしょうか?サスケはイタチの遺志を取り違え木の葉への復讐心にとらわれている。だからこそのマダラ達との共闘であり、物語のクライマックスであるはずの対ナルトとの戦いがあるハズなのに・・・。それとも、この第四次忍界大戦はまだクライマックスへのプロローグでしかなく、マダラもトビも居なくなった世界で、サスケは木の葉への恩讐を乗り越え純粋に力と力の戦いをナルトに挑むのでしょうか?
ともあれカブトごときに、イタチ(穢土転生状態ですが・・・)とサスケの豪華な兄弟タッグを組ませる価値があるのかも疑問です。たかがカブトなのに、調子にのった彼は「ついに大蛇丸様を超えたんだよこのボクが!」とまで言う始末。完全にキャラがおかしくなっています。自分探しの過程で大蛇丸に心酔し、大蛇丸との同化に辿り着いた彼は結局自分を見失っています。そんな彼も長門や弥彦・小南と同じかわいそうな戦争遺児で、大人達にその幼いココロと優れた能力を利用されただけに過ぎないのですが、もはやカブトにまで感情移入することはできません(脱皮を繰り返すカブトの造形も気持ち悪いしな・・・)。
そして写輪眼を利用したうちはの瞳術が無神経に増加していくのも、天照・月読・須佐能乎の価値が薄められていくようで残念でなりません。イザナギが出た時点でイザナミは予想されたとはいえ、だんだん写輪眼がドラえもんのポケットになってきました。術があまりに都合よすぎます。
はやくこの忍海大戦を終わらせ、トビの正体とマダラの秘密、うちは一族の悲劇と森の千手一族とうずまき一族、全ての始祖である六道仙人の謎が紐解かれる展開にならないのでしょうか。
それがわかれば、ナルトとサスケの最終決戦ですら、蛇足でしかありません。
https://lkv.kyo2.jp/e380626.html
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ホン
Sun, 19 Aug 2012 22:48:00 +0900
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夏の古本まつり 2
今日の成果はこの六冊。内田百閒は僕の定番。川村二郎の本にも内田百閒論が収められています。あと山の本も一冊。
釣りの本はピンとくるものが見つかりませんでした。
どれも200〜500円と下鴨らしく安く購入。あと奮発して高い本も一冊欲しかったのに、午後から足下が水没するほどの激しい雷雨に襲われ撤収を余儀なくされ残念。
もしかすると16日の最終日にちょっと行くかもしれません。
https://lkv.kyo2.jp/e379597.html
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ホン
Sat, 11 Aug 2012 17:36:16 +0900
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『ドラゴンは踊れない /アール・ラヴレイス』
『ドラゴンは踊れない /アール・ラヴレイス』(みすず書房)
本の帯に書かれた“ドラムが鳴り、抵抗のダンスが始まる。世界の片隅に生きる人々の希望を賭けて、バンドマン、スラムのごろつき、そいて恋する者達が踊る、カリブ海文学の傑作”という惹句に惹かれて買った本書。
読み始めてすぐ、序章の終わりに次のようなテキストがあって、期待が高まる。
ダンス!カリプソにはダンスが宿っている。ダンス!歌が近所の人の死を悼むものだとしても、音楽があくまでも踊れ、という。兄弟が巻き込まれたやばいもめ事についての歌詞であっても、音楽が踊らなきゃ、というのだ。痛みを称えて踊れ。ダンスしろ!毎日死にそうなほどひどい目にあってるって、じゃあ踊れ、政府は知らんぷりだ、なら踊れ!女が金をもってほかの男と逃げた、さあ踊れ。踊れ、踊れ、踊れ!踊りには邪悪なものを退け、自分を守る力がある。ダンスは悪魔の力を断ち切る、呪文なのだ。ダンス!ダンス!ダンス!カーニヴァルがこの丘の谷という谷すべてに、この力強いダンスをつれてくる。
そして登場人物の魅力的なプロフィールが過去から現在まで章ごとに丁寧に描かれ、中盤までは、期待以上に期待がふくらんで、時代背景や作品世界を深く理解するための解題に目を通すのももどかしい程に、先へ先へとページを繰ったのだが、中盤以降“抵抗のダンス”は尻すぼみする。狂騒のカーニヴァルは夜明けとともに終わりを迎えるのだ。
解題や解説にも書かれていたように、この作品の舞台となったトリニダード・トバゴでは、自治権の拡大とともに自然な独立(いろいろな差別や貧困の問題があったにせよ)が達成された島なのだ。流血の革命により力づくで権力を勝ち取ったわけでないのだ。
物語のクライマックスで、振り上げた拳(それは気分だけの革命行為)も誰かに突きつけられることもなく、そのままゆっくりとおろされる始末で、帯の惹句はまったくの空回り状態で、過去と現在と未来が反復されるリズムのように繰り返されることを示唆している。タイトル通り『ドラゴンは踊れない』ままなのだ。
しかし、物語全体をゆるやかに包む倦怠と徒労は、この愛すべきルードボーイ達のどん詰まりの人生を肯定も否定もしていない。少しの運と、少しの努力で彼らの未来は一変する。同じように反復されるスティールパンの音だって、まったく同じ音、同じリズムが永遠に続くことはない。いつだって新しいリズムが、新しい音楽とダンスを作るのだから。
https://lkv.kyo2.jp/e375864.html
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ホン
Sun, 22 Jul 2012 11:35:02 +0900
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『NARUTO 巻ノ60 〜九喇嘛!!〜/岸本 斉史』
60巻では二尾から九尾まで尾獣が勢揃いです。二尾・三尾・五尾・六尾・七尾と八尾・九尾が相対するのを見て、“怪獣総進撃”とガイが思わず呟いてしまったのですが、尾獣と尾獣化した彼らの姿に、忍の面影はどこにもありません。19巻で自来也が「忍者とは忍び堪える者」と大蛇丸に語った言葉からは、何万光年も遠く離れてしまいました。忍びと忍びの個人の戦いはすっかり様相を変えていましまいた。GWにちょっと読み返したのですが、サソリ対チヨバア&サクラの戦いや、デイダラ対サスケの美しい術の凌ぎあいから、本当に遠くまで来てしまいました。
尾獣勢揃いにより、修行によって手に入れた強さとは全く次元の違うところで、戦いが継続していきます。強さのインフレ(紛うことなきハイパーインフレです!)化は加速度的にすすみ、カカシとガイでさえ、すっかり置いてけぼりをくってしまっています。尾獣たちの戦いの場に居ることが、まったく不自然でなりません・・・。
そして、不満の第一等は、九尾(=九喇嘛)とナルトの和解です。狂気と暴力の神である九尾が、聞き分けよくナルトにチャクラを与え、共に戦うなんて興醒めもいいとことです。
いやはや、僕にはちっともおもしろくありません。穢土転生以来、ナルト世界にはまることができません。クライマックスに向けて、徐々に片をつけていくはずの展開が、僕にはちっともココロに響きません。
その中で唯一ぐっと来たのが若きオオノキに掛ける初代(?)土影の言葉です。
「肝心なのは/己の中の/意思じゃ(中略)壁に当たるうち/それを捨て・・・/言い訳し/かわりに憎しみを/拾うことになり/かねん」
村上春樹がエルサレム賞を受賞した際の「壁と卵」のスピーチにも通低するような強い言葉です。前巻でマダラの落とした巨大隕石を、ひとりで受け止めようとしたオオノキの勇気を支えている師匠の言葉です。
そういえばオオノキが巨大隕石を受け止めるシーンを僕は何処かで見たことがあると感じていたのですが、最近それが何なのかはっきりと思い出しました。戦闘メカザブングルでジロンが、巨大ミサイルをウォーカー・ギャリアで見事受け止めるシーンです。ジロンの行動もオオノキのそれも、男の子の無鉄砲な勇気というしかない快挙でした。オオノキの場合は、さらに巨大隕石の追い打ちがあって、勇気は打ちのめされたのですが・・・。
それでもオオノキは再び立ち上がります。倒れても倒れても、彼の意志は言い訳を許しません。そして「塵遁・限界剥離の術」で自分より若い五影たちを鼓舞するのです。
https://lkv.kyo2.jp/e367763.html
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ホン
Sat, 19 May 2012 03:00:16 +0900
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古本の神様
恒例の「春の古書即売会」。京都の古本祭りが今シーズンも開幕しました。今年の成果は写真の通り。
『渓流1985』は古本祭りで、いつも注意して探してる渓流釣り関連の本。棚に並んだ本の背中を目で追っていると“源流”などに反応してしまいますが、『カメラの源流を訪ねて』だったりします。“ヤマメ”だと思ったら“ヤヌス”だったり・・・。
開高健の『私の釣魚大全』は文庫をもちろん持っているのですが、 他にも数本釣りエッセイが追加されています。で、しめしめと思ったのですが、チェックしてみると既に持っている『開高健全ノンフィクション 河は眠らない』にどれも収録されていました・・・。
笙野頼子とブローティガンの小説と岡崎武志の古本本はわりと安かったので購入。そして敬愛する内田百閒の戦前の単行本! 旧仮名遣いの内田百閒をコンプリートすべくこちらも古本祭りでは最優先のターゲットです。この『丘の橋』の他に数冊、数千円のも見つけましたが、ちょっとそれは手が出ませんでした。
そして、古本の神が、僕に微笑んでくれた今日の逸品は、大友克洋の『ヘンゼルとグレーテル』です。いつもはあまり注意して見ることのない絵本のコーナーで発見しました。奥さんに絵本のいいのがあれば、と頼まれていたのが幸いしました。絵本好きそうな女性がえらい熱心に本を探していたので、奥さんにもお土産をと思ってその脇に並んだところ、太ゴシックのタイトルと大友克洋の名前があざやかなグリーンに白抜きで目立っていて、そこだけ周りから浮き上がり輝いて見えました!すばらしい!!本当にすばらしい。ワンダフルな気持ちです。
ちなみに奥さんへの絵本は見つかりませんでした・・・・。みやこめっせでの「春の古書即売会」は5月5日までです。
■京都古書研究会
https://lkv.kyo2.jp/e366645.html
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ホン
Thu, 03 May 2012 16:30:00 +0900
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『山漁 ~渓流魚と人の自然誌〜/鈴野藤夫』
『山漁 ~渓流魚と人の自然誌〜/鈴野藤夫』(農山漁村文化協会)
タイトル通り渓流魚“ヤマメ・アマゴ・イワナ”と人との関わりについて広範に書かれた本。目次は以下の通り、「渓流魚の博物誌」「魚止考」「渓流魚の漁法」「保存と食法」「渓流魚の伝説」「職業漁師」「伝統釣法」「渓流魚の民俗」「釣魚余談」「川虫の民俗」となっており、渓流釣りをするひとなら何処から読んでも興味深い内容になっている。
江戸時代を含む多くの川や魚に関する文献を引用し、また1000ヶ所以上を訪れたという渓流釣りを通し、実際に見聞した内容を盛り込んでいる。そこで思うのが、いつものことであるが、かっての渓流の個性的で豊潤な姿だ。川の流れは決してとどまることがなく、瞬間瞬間違った様子を見せている。それ故、地域によって違った漁法が発展するのだ。同じ景色などどこにもないのだ。しかし林道の開発、森林の伐採、堰堤の設置と、ひとは目先の経済的な利益だけを目的に、“便利”を旗頭に掲げて全てをフラット化してきたのだ。
著者の鈴野氏は昭和21年生まれ。都市から農村、山間部へと開発の進む日本の高度成長とときを同じくして成長してきた。そしてそれは文献だけでなく、各地域に残る文化をギリギリ取材できた世代だ。僕が釣りをはじめた頃には、車でどこへでも行けるし、どんな山奥の谷にも堰堤があって、その脇に伸びる林道を歩くことができたのだ(そしてそれを釣れない理由にしてきた!)。
といった僕の愚痴はともかく、内容はすばらしくどのエピソードも興味深い。なかでも“滝太郎”や“漁師を呑んだ大イワナ”の項がある「渓流魚の伝説」は釣り人の夢を際限なくかき立ててやまない。今も、深い山奥の大きな淵の底には大イワナが居るに違いないのだ。
日本は、その国土のほとんどが山地で、しかも年間を通して雨がよく降る。それは、この国に豊かな渓流があるということだ。平野部で育った僕には、コイやフナのような魚がひとの生活圏内と同じところに居て、密接に繋がっているイメージがあった。渓流釣りをはじめるまでは、イワナやヤマメは『釣りキチ三平』の中と、人が稀にしか足を踏み入れないような山深い谷の奥にのみ生息するものだと思っていたのが、渓流魚もひとの生活の近くに棲み、それぞれの時代にそれぞれの暮らしと密接な関係があったのだ。全編を通じて、人と渓流魚のつながりについて、理解を深めることができる好著だ。
鈴野氏には他に『峠を越えた魚―アマゴ・ヤマメの文化誌』や『魚名文化圏 イワナ編 』などもあって、ぼちぼち探して読みたいと思います。
https://lkv.kyo2.jp/e357177.html
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ホン
Sun, 15 Apr 2012 14:32:01 +0900
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『NARUTO 巻ノ59 〜五影集結…!!〜/岸本 斉史』
穢土転生によって、いよいよマダラまで甦ってしまいました。しかも輪廻眼まで開眼して圧倒的な強さを見せつけるのですが、よりによって彼もカブトに操られるゾンビでしかないのです。伝説の忍びも地に落ちました。そして彼に立ち向かうのは、最強のはずの五影です。その五影が五人そろってようやくマダラと、とんとんだなんて…。1対5の時点でなんだかなぁという感じです。しかもマダラは所詮ゾンビなのですから。
それでも五影が、見開きページで並び立つシーンは圧巻です。ジャンプ連載当時はコンビニで立ち読みしながらちょっと感動しました。そして土影オオノキの矜持だけがこの長くて寂しい戦いを支えています。一尾を抜かれ、暴走しない我愛羅なんて、感情に乏しくてちっとも肩入れできません。
そして肝心のナルトは、ついにトビ率いる人柱力六道と相対します。生身(?)のトビも、やっぱり穢土転生で甦った人柱力を操っているので今イチ感心できないのですが、もう少しです。あと少しで穢土転生の術は一掃されるはずです。
https://lkv.kyo2.jp/e356835.html
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ホン
Sat, 03 Mar 2012 15:09:36 +0900
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渓流・清流を探ねて―つりと人生 三浦 秀文
『渓流・清流を探ねて―つりと人生/三浦 秀文』(青林書院)
近所の古本屋で見つけた昔の渓流釣りガイド本。発行は昭和30年(1955年)。傷みの激しいカバーは、物干し竿のような竹竿で鮎を狙うモノクロのグラビア。著者の三浦 秀文さんは中部日本新聞の編集局長から、ドラゴンズの取締役もつとめたひと。
前半はこの著者の釣りエッセイ。釣りのおかげで人生救われた的な内容。後半に関東から関西までの各地の漁協や市区町村から集めた渓流・清流の情報が記されている(鮎の情報がメイン)。釣れる魚の種類や、解禁日、入漁料、交通手段、宿泊施設の案内まで充実している。
なにしろ昭和30年のことなので、御母衣湖(1961年完成)や九頭竜湖(1968年完成)をはじめとした、各河川のダムはなく、川の上流と海がちゃんと繋がっていた時代なので、釣れる魚としてヤマメよりもマス(サクラマスやサツキマス?)の方がよく紹介されている。そして、奥まった川の上流までは最寄の駅からバスで2時間とか、3時間とかかけて行かねばならないのだ(さらに徒歩で1〜3時間という表記もあり)。
道路事情も今とは比較にならなかったはずだし、マイカー率の低かったこの時代、バスはおそろしく辺鄙な集落まで路線網をひろげている(JR、いや国鉄も今よりずっと豊かな路線をもっていた。最近本屋で「鉄道地図 残念な歴史」という本を見つけた)。当然、そこまで行くと日帰りは無理で泊まる必要があるので、小さな集落にも民宿があって、数百円で泊まることができる。ちなみにヤマメやアマゴの日券も200~300円程度、鮎は500円が相場だ。また地域によっては、漁業組合員でないと釣りができず、それも毎年入札で、各組合員が釣ることのできる流れを振り分けるところもあった。
そういう情報が淡々と並んでいるだけなのだが、山の奥まったところ、川の支流のまた谷沿いの小さな集落にも、ひとが暮らし生活をしていた様子が感じられる。宮本常一が『忘れられた日本人 』で活き活きと描いたようなひとの営みがあったはずなのだ。しかし、この本で紹介されている集落のいくつかは、高度成長とともに過疎が進んだり、ときにはダムの底に沈んで地図からその名が消えてしまったのだ。
今、僕たちは国鉄とバスではなく、高速道路を乗り継ぎ京都から3時間、4時間で渓流の一番奥まで到達することができるようになった。そして便利にはなったけれど、想うような魚は、けっして想うようには釣れないのだ。
今年のシーズンもいよいよ解禁が近づいてきた。この本では、石徹白川の項に以下の表記がある。
この地方は渓流魚の宝庫として揖斐川上流地帯(徳山、坂内、藤橋各村)、庄川上流地帯(荘川、白川、平各村)及び益田川上流(高根、朝日村各村)とともに全国屈指の釣場であろう。
禁漁になってすぐには半年は長いと思っていたけれど、ここまでくれば春はもうすぐだ。今年もまた大物を釣る夢想をしながら、何度も川へ向かうのだろう。
https://lkv.kyo2.jp/e351214.html
https://lkv.kyo2.jp/e351214.html
ホン
Tue, 31 Jan 2012 01:25:01 +0900
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『ナイロン100%/ばるぼら』
『NYLON100%/ばるぼら』(アスペクト)を読了。
80年代のポップなトーキョーの情報発信サロン的な伝説のカフェ“ナイロン100%”の全貌を、そこに関わった人たちへのインタビューで描き出した80年代ニューウェーヴ世代にはたまらないエピソード満載の一冊です。なにしろ戸川純がアルバイトをしていたという伝説のカフェなのです。それだけでトンガリキッズに憧れていた僕はムネのコドウが早くなります。
前に読んだ『ストリート・キングダム/地引雄一』の東京とはパラレルの80年代のトーキョーがあって、それぞれがそれぞれに偶然にではなく、必然的にナイロン100%に集まり、トーキョーの中でもひときわ人工的なネオンの明りを明滅させていたのです。そしてその灯りを道しるべとして集まってきた人たちによって、さらに常夜燈としての役割を果たすようになっていきました。
“ナイロン100%”でライブを行ったヒカシューの巻上公一や81/2の久保田慎吾、ハルメンズのサエキケンゾウ、戸川純、Phew、ゲルニカの上野耕路、さらに有頂天のケラや大槻ケンジに至る日本のニューウェーブシーンを彩る多彩な面々に加え、歴代の店長やスタッフ、客としてナイロンに通っていた常磐響、先の地引雄一や当時の宝島編集長関川誠まで登場して“ナイロン100%”とその時代を多面的にあぶり出していきます。
それはもう青春のキラメキ以外のなにものでもありません。
そしてニューウェーブをひとつの価値判断の基準としているような、ネクラな僕にとっては、やっぱりそのキラメキは眩し過ぎるのです。
あー、あと各見開きの右隅にナイロンの推薦するニューウェーブ系のレコードジャケットが150枚以上も掲載されていて、あれもこれも欲しくなってたまりません。
https://lkv.kyo2.jp/e309667.html
https://lkv.kyo2.jp/e309667.html
ホン
Sun, 08 Jan 2012 14:24:49 +0900