もりのおく
https://lkv.kyo2.jp
森の奥で考えたこと
ja
もり
2014-09-24T23:58:00+09:00
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大森靖子メジャーデビュー!
https://lkv.kyo2.jp/e453087.html
『きゅるきゅる/大森靖子』
いよいよ大森靖子がメジャーデビューしました。9月18日にエイベックスよりシングルCDをリリース、もちろん僕は「絶対少女ツアー」のライブDVDが納めされた初回限定盤を即日購入です。
正直、リード曲の「きゅるきゅる」はなんかフツーの曲でどーかと思ったのですが、2曲目、“超楽しい地獄に誘おう 友達に数えてあげるよ”と歌われる「私は面白い絶対面白いたぶん」が最高です(“友達に数えてあげるよ”なんて、なんと今日的な歌詞なんだ!!!)。iPodにぶっこんでまたしてもヘビーローテーションです。ラップ調からカラフルなアイドルPOP調に変調するあたりが何度聞き返してもゾクゾクしてたまりません。『絶対少女』に収められている「Over The Party」も稀代の名曲なのですが、ラップ調の曲で大森靖子は、凡百のSSW(一応、彼女も女性SSWにカテゴライズされています)を置き去りにして、ジャンルの壁を軽々と打ち破ります。今夏のフェスで新しく日本のロックを作り直すと宣言したことが大言でも妄言でも虚言でもないのだと感じられ、今後の活動に期待が膨らむばかりです。
元BISのコショージメグミをフューチャーした「私は面白い絶対面白いたぶん」のPVもめちゃキュート&刹那的で、何度もリピートしてしまいます・・・。
映画『サマーセール』で大森靖子に興味をもった後、はじめてライブを見たときは何人かの女性SSWとの競演でしたが、もうステージに出て歌い出した瞬間に、タマが違うと思いました。こんな小さなステージでチマチマと歌ってるような歌手ではありません。昔、村松友視がアントニオ猪木を凄玉と称したのですが、大森靖子も圧倒的に凄玉でした。2年前から既に凄玉だったのですが、今夏の各フェスで残した爪痕を雑誌などで読むと、さらにハイパー化しているようです。セルフプロデュースに長け、世間を騒がせるような発言で周囲を巻き込んでいくギミックも猪木が得意とした手法です。現在のアントニオ猪木しか知らない若者にはまったく理解できないでしょうが、ジャンルは違えど大森靖子こそ、アントニオ猪木の正統な後継者なのかも知れません。そのくらい彼女に対する期待値と、僕の妄想が膨らんでいます。
フルアルバムはいつなのでしょう?来年でしょうか?とにかく心して待ちます。
『きゅるきゅる/大森靖子』
いよいよ大森靖子がメジャーデビューしました。9月18日にエイベックスよりシングルCDをリリース、もちろん僕は「絶対少女ツアー」のライブDVDが納めされた初回限定盤を即日購入です。
正直、リード曲の「きゅるきゅる」はなんかフツーの曲でどーかと思ったのですが、2曲目、“超楽しい地獄に誘おう 友達に数えてあげるよ”と歌われる「私は面白い絶対面白いたぶん」が最高です(“友達に数えてあげるよ”なんて、なんと今日的な歌詞なんだ!!!)。iPodにぶっこんでまたしてもヘビーローテーションです。ラップ調からカラフルなアイドルPOP調に変調するあたりが何度聞き返してもゾクゾクしてたまりません。『絶対少女』に収められている「Over The Party」も稀代の名曲なのですが、ラップ調の曲で大森靖子は、凡百のSSW(一応、彼女も女性SSWにカテゴライズされています)を置き去りにして、ジャンルの壁を軽々と打ち破ります。今夏のフェスで新しく日本のロックを作り直すと宣言したことが大言でも妄言でも虚言でもないのだと感じられ、今後の活動に期待が膨らむばかりです。
元BISのコショージメグミをフューチャーした「私は面白い絶対面白いたぶん」のPVもめちゃキュート&刹那的で、何度もリピートしてしまいます・・・。
VIDEO
映画『サマーセール』で大森靖子に興味をもった後、はじめてライブを見たときは何人かの女性SSWとの競演でしたが、もうステージに出て歌い出した瞬間に、タマが違うと思いました。こんな小さなステージでチマチマと歌ってるような歌手ではありません。昔、村松友視がアントニオ猪木を凄玉と称したのですが、大森靖子も圧倒的に凄玉でした。2年前から既に凄玉だったのですが、今夏の各フェスで残した爪痕を雑誌などで読むと、さらにハイパー化しているようです。セルフプロデュースに長け、世間を騒がせるような発言で周囲を巻き込んでいくギミックも猪木が得意とした手法です。現在のアントニオ猪木しか知らない若者にはまったく理解できないでしょうが、ジャンルは違えど大森靖子こそ、アントニオ猪木の正統な後継者なのかも知れません。そのくらい彼女に対する期待値と、僕の妄想が膨らんでいます。
フルアルバムはいつなのでしょう?来年でしょうか?とにかく心して待ちます。
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オンガク
もり
2014-09-24T23:58:00+09:00
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細野晴臣 at 磔磔 40th Anniversary
https://lkv.kyo2.jp/e444050.html
この春、40周年を迎えた磔磔で細野さんを観た。
最近のアルバムを踏襲した古いブルースやカントリー、ロックンロールのカバー(だと思う)がほとんどで、知らない曲ばっかりだった。僕のすぐそばに萩原健太みたいなひとが居たのだが、彼なら全ての曲を詳細な解説付きでつまびらかにするのだろう。
細野さんの曲だと認識できたのは「Pom Pom蒸気」くらいだ。あとは、時節柄、MCでポール・マッカトニーやボブ・ディランの来日の話をはさみつつ、ビートルズの曲(ディア・プルーデンス)やディランの曲(わからない・・・)も演った。
18時の開演時間ぴったりにステージにあがった細野さんは、最初の3曲ほど椅子に座って歌ったのだが、あとはずっと立って歌った(座ってるときはエレキギター、立ってからはアコースティックギターだった)。終始笑顔で余裕のある表情をした細野さんだったのだが、アンコール2回(2回目はもうレパートリーがないからと言って、ギターのひとが歌った)を含めて1時間半のコンパクトな演奏だった。
時間的には物足りないのだが、磔磔で細野さんを観たという事実だけで贅沢な気分になれた夜だった。唯一、心残りは細野さんがベースを演奏しなかったことだ。アンコール2回目にステージにあがったとき、ウッドベースを一瞬手にして会場を沸かせたのだが、演奏はしなかった。
明日も細野さんは磔磔で演るのだが、明日の僕はディランに行くのだ。
この春、40周年を迎えた磔磔で細野さんを観た。
最近のアルバムを踏襲した古いブルースやカントリー、ロックンロールのカバー(だと思う)がほとんどで、知らない曲ばっかりだった。僕のすぐそばに萩原健太みたいなひとが居たのだが、彼なら全ての曲を詳細な解説付きでつまびらかにするのだろう。
細野さんの曲だと認識できたのは「Pom Pom蒸気」くらいだ。あとは、時節柄、MCでポール・マッカトニーやボブ・ディランの来日の話をはさみつつ、ビートルズの曲(ディア・プルーデンス)やディランの曲(わからない・・・)も演った。
18時の開演時間ぴったりにステージにあがった細野さんは、最初の3曲ほど椅子に座って歌ったのだが、あとはずっと立って歌った(座ってるときはエレキギター、立ってからはアコースティックギターだった)。終始笑顔で余裕のある表情をした細野さんだったのだが、アンコール2回(2回目はもうレパートリーがないからと言って、ギターのひとが歌った)を含めて1時間半のコンパクトな演奏だった。
時間的には物足りないのだが、磔磔で細野さんを観たという事実だけで贅沢な気分になれた夜だった。唯一、心残りは細野さんがベースを演奏しなかったことだ。アンコール2回目にステージにあがったとき、ウッドベースを一瞬手にして会場を沸かせたのだが、演奏はしなかった。
明日も細野さんは磔磔で演るのだが、明日の僕はディランに行くのだ。
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オンガク
もり
2014-04-20T23:02:00+09:00
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「君と映画」!!!
https://lkv.kyo2.jp/e442339.html
イラストレーター・漫画家として活躍する本秀康が立ち上げた7inchアナログ・シングル盤専門の雷音レーベルの第一弾としてリリースされた大森靖子の「君と映画」をJETSETで無事、手に入れました。
7inchアナログなんて買うの何年ぶりだろ?レコードプレーヤーも何年も動かしてないけど、ちゃんと聴けるかな??
4月には『PINK』と『魔法が使えないなら死にたい』もアナログ化されるしな。特に『PINK』は、B面に『PINK』に収録されている曲を全曲弾き語りで再録というから絶対見逃せません。
3月14日のLIQUIDROOMでエイベックスと契約したと発表されたし、これからいろんなところで露出も増えるんだろう。関西でのライブを心して待とう。
イラストレーター・漫画家として活躍する本秀康が立ち上げた7inchアナログ・シングル盤専門の雷音レーベルの第一弾としてリリースされた大森靖子の「君と映画」をJETSETで無事、手に入れました。
7inchアナログなんて買うの何年ぶりだろ?レコードプレーヤーも何年も動かしてないけど、ちゃんと聴けるかな??
4月には『PINK』と『魔法が使えないなら死にたい』もアナログ化されるしな。特に『PINK』は、B面に『PINK』に収録されている曲を全曲弾き語りで再録というから絶対見逃せません。
3月14日のLIQUIDROOMでエイベックスと契約したと発表されたし、これからいろんなところで露出も増えるんだろう。関西でのライブを心して待とう。]]>
オンガク
もり
2014-03-24T23:50:51+09:00
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大森靖子 in 拾得 2月27日
https://lkv.kyo2.jp/e440857.html
拾得で大森靖子を見た。2月15日に十三のセブンシアターでも見たので、今年2回目の大森靖子だ。
前売りはSOLD OUTになっていたのだけれども、当日も少し出ていた。テーブル席や座敷席はいっぱいで会場奥のカウンター前には座りきれないひとが20~30人は立っていたのではないか。去年の『魔法が使えないなら死にたい』ツアーはVOXホールでゲストも居たのだけど、今回は(ゲスト表記ではあったけれど)直枝政広と久下恵生を従えたほぼワンマンで、拾得がフルハウスになっている。
ビールを飲みながら開演を待つ。19時過ぎてまもなく、浜崎あゆみのモノマネでライブは始まった。なんかのそっと現れて、アカペラで歌いだしたのだ。大森靖子は『絶対少女』のジャケットの衣装を着ている。一見カワイイけれど、よく見るとグロテスクなあれだ。ライブは二部構成で、一部はドラムスの久下恵生をバックにほぼ一時間。フリーキーでパワフルな久下恵生のドラムと大森靖子の相性が意外によくて、ギターの弾き語りでも、バンド編成でもない大森靖子は自由にギターをかき鳴らし、ときにマイクスタンドから離れ地声で歌う。それを久下恵生が後ろの壁も叩きながら、きちんとコントロールしていた。ミュージシャンって素晴らしい。
そして少しの休憩をはさんで第二部は、直枝政広が登場。なんと大森靖子のドラムをバックにカーネーションの歌を1曲熱唱。そして、ふたたび大森靖子がフロントに立ち、直枝政広はエレキギターやベースに、久下恵生のドラムという形での演奏がはじまった。
セブンシアターのときは、これからはさだまさしを目指すと宣言するほどMCが多かった(長かった)のだけど、今回はほとんどMCなし。最初にした「テンプラうどん」の話がたいして盛り上がらなかったからなのかも知れない。しかし、MCよりもやはり演奏だ。3ピースになると『絶対少女』に近いアレンジでの演奏が続き、会場のテンションがあがっていく。ほとんどの曲間に、彼女は俯いてギターを掻き鳴らしているので拍手をする暇すらない。
何曲目になるのか、「KITTY’S BLUES」からあとは好きな曲ばかりで「エンドレスダンス」「Over The Party」「青い部屋」「君と映画」「最終公演」まで一気呵成だった。ステージまではほんの数メートルで、僕と彼女の間を遮るようなものは何もなくて(スタンディングのライブハウスだと、背の低い僕は背伸びしたりして、けっこうストレスが溜まるのだ)、ときに息をするのも忘れ、ときにリズムに乗って体を揺すり、「青い部屋」や「君と映画」は小声で一緒に歌ったりしてライブを楽しんだ。たまに目があったような気がしてドキドキしたりもした・・・。「展覧会の絵」も演ったし、これで「PINK」を演ればきっと泣いてしまっただろう。3月14日のツアーファイナル、 LIQUIDROOMも行きたくなった。
ライブが終わって物販コーナーでピンクトカレフの新しいDVDが並んでいるのを発見。大森靖子のHPでのニュースリリースもなかったので、ビックリした。ビックリしたけのはうれしいからだ。もちろん購入して、サインも貰ったのだ。大森靖子は事務所に属さず、(たぶん)基本ひとりで何でも仕切っているので、どんどん音源が出てうれしい。この日のライブもスタッフがビデオ撮影していたし、なんかの形でリリースされないか知らん。YouTubeにアップされるといーな。
拾得で大森靖子を見た。2月15日に十三のセブンシアターでも見たので、今年2回目の大森靖子だ。
前売りはSOLD OUTになっていたのだけれども、当日も少し出ていた。テーブル席や座敷席はいっぱいで会場奥のカウンター前には座りきれないひとが20~30人は立っていたのではないか。去年の『魔法が使えないなら死にたい』ツアーはVOXホールでゲストも居たのだけど、今回は(ゲスト表記ではあったけれど)直枝政広と久下恵生を従えたほぼワンマンで、拾得がフルハウスになっている。
ビールを飲みながら開演を待つ。19時過ぎてまもなく、浜崎あゆみのモノマネでライブは始まった。なんかのそっと現れて、アカペラで歌いだしたのだ。大森靖子は『絶対少女』のジャケットの衣装を着ている。一見カワイイけれど、よく見るとグロテスクなあれだ。ライブは二部構成で、一部はドラムスの久下恵生をバックにほぼ一時間。フリーキーでパワフルな久下恵生のドラムと大森靖子の相性が意外によくて、ギターの弾き語りでも、バンド編成でもない大森靖子は自由にギターをかき鳴らし、ときにマイクスタンドから離れ地声で歌う。それを久下恵生が後ろの壁も叩きながら、きちんとコントロールしていた。ミュージシャンって素晴らしい。
そして少しの休憩をはさんで第二部は、直枝政広が登場。なんと大森靖子のドラムをバックにカーネーションの歌を1曲熱唱。そして、ふたたび大森靖子がフロントに立ち、直枝政広はエレキギターやベースに、久下恵生のドラムという形での演奏がはじまった。
セブンシアターのときは、これからはさだまさしを目指すと宣言するほどMCが多かった(長かった)のだけど、今回はほとんどMCなし。最初にした「テンプラうどん」の話がたいして盛り上がらなかったからなのかも知れない。しかし、MCよりもやはり演奏だ。3ピースになると『絶対少女』に近いアレンジでの演奏が続き、会場のテンションがあがっていく。ほとんどの曲間に、彼女は俯いてギターを掻き鳴らしているので拍手をする暇すらない。
何曲目になるのか、「KITTY’S BLUES」からあとは好きな曲ばかりで「エンドレスダンス」「Over The Party」「青い部屋」「君と映画」「最終公演」まで一気呵成だった。ステージまではほんの数メートルで、僕と彼女の間を遮るようなものは何もなくて(スタンディングのライブハウスだと、背の低い僕は背伸びしたりして、けっこうストレスが溜まるのだ)、ときに息をするのも忘れ、ときにリズムに乗って体を揺すり、「青い部屋」や「君と映画」は小声で一緒に歌ったりしてライブを楽しんだ。たまに目があったような気がしてドキドキしたりもした・・・。「展覧会の絵」も演ったし、これで「PINK」を演ればきっと泣いてしまっただろう。3月14日のツアーファイナル、 LIQUIDROOMも行きたくなった。
ライブが終わって物販コーナーでピンクトカレフの新しいDVDが並んでいるのを発見。大森靖子のHPでのニュースリリースもなかったので、ビックリした。ビックリしたけのはうれしいからだ。もちろん購入して、サインも貰ったのだ。大森靖子は事務所に属さず、(たぶん)基本ひとりで何でも仕切っているので、どんどん音源が出てうれしい。この日のライブもスタッフがビデオ撮影していたし、なんかの形でリリースされないか知らん。YouTubeにアップされるといーな。
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オンガク
もり
2014-03-01T00:35:59+09:00
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『絶対少女/大森靖子』
https://lkv.kyo2.jp/e434087.html
『絶対少女/大森靖子』
10月にリリース情報が流れてから、指折り数えて待ちわびた大森靖子のセカンドアルバム『絶対少女』がようやくリリースされた。発売日にレコードショップに行き購入するなんていつ以来のことだろう。誰の新譜以来のことだろう。
3月にリリースされた『魔法が使えないなら死にたい』を何度も何度もiPodで繰り返し聞きながら、春から夏にかけては生の大森靖子を京都大阪で4回見た。彼女が主演した映画『サマーセール』を再見する機会もあって、彼女が新宿アルタ前で歌う「PINK」に衝撃を受けながら、夜の新宿で誰も聴衆がいない中、「展覧会の絵」を健気に歌う大森靖子を観て、恋に落ちたのだと再認識した。8月末には東京のクアトロワンマンのDVDがリリースされ、11月には来来来チームとのコラボアルバム『ポイドル』が矢継ぎ早にリリースされていて、僕の2013年は、ほぼ大森靖子一色に塗り潰されてしまったのである。そして、今年二枚目のフルアルバムを僕は手に入れたのだ。
前のアルバムがリリースされたときに、僕はこのブログで、「25歳の大森靖子はもう少女ではないし、毎晩寝て起きるたびに少女性を失い続けているのだ。その悲しみと絶望が彼女の歌の根底に流れるブルースだ。」とわかったようなことを書いたのだが、新譜のアルバムタイトルは『絶対少女』で、彼女は失い続ける少女性に抗うかように、絶対に少女であることを高らかに宣言している。それを信じる強い思いが彼女のロックンロールを鳴らし、このアルバムに結実している。
1曲目「絶対彼女」のなかで大森靖子は“絶対女の子がいいな”と歌う。そこには少女性を失う悲しみも絶望もない。大森靖子は、少女であることを全肯定し、その歓びを歌う。そして「over the party」では“Over 30 おばさん/鏡の中でちょっとマシにやっている/進化するブタ/お前の国の言葉なんて知らない”とメランコリックに嫌味をこめて歌うのだ。
絶対少女の彼女に、敵はない。アイドルポップ、テクノポップ、ボサノバ、フォーク、ピアノ弾き語り、ロック、ノイズ、ジャズとごった煮的に曲調を変えたって、全部大森靖子の歌だ。彼女に恋する僕は盲目的に褒めたたえ、毎日繰り返しその音を聴くだけだ。
昨日、ようやくレコ発ツアーが発表された。京都は2月27日拾得だ。あと2ヶ月、僕はまた指折り数え、彼女のライブに想いを寄せながらその日を待つのだ。
『絶対少女/大森靖子』
10月にリリース情報が流れてから、指折り数えて待ちわびた大森靖子のセカンドアルバム『絶対少女』がようやくリリースされた。発売日にレコードショップに行き購入するなんていつ以来のことだろう。誰の新譜以来のことだろう。
3月にリリースされた『魔法が使えないなら死にたい』を何度も何度もiPodで繰り返し聞きながら、春から夏にかけては生の大森靖子を京都大阪で4回見た。彼女が主演した映画『サマーセール』を再見する機会もあって、彼女が新宿アルタ前で歌う「PINK」に衝撃を受けながら、夜の新宿で誰も聴衆がいない中、「展覧会の絵」を健気に歌う大森靖子を観て、恋に落ちたのだと再認識した。8月末には東京のクアトロワンマンのDVDがリリースされ、11月には来来来チームとのコラボアルバム『ポイドル』が矢継ぎ早にリリースされていて、僕の2013年は、ほぼ大森靖子一色に塗り潰されてしまったのである。そして、今年二枚目のフルアルバムを僕は手に入れたのだ。
前のアルバムがリリースされたときに、僕はこのブログで、「25歳の大森靖子はもう少女ではないし、毎晩寝て起きるたびに少女性を失い続けているのだ。その悲しみと絶望が彼女の歌の根底に流れるブルースだ。」とわかったようなことを書いたのだが、新譜のアルバムタイトルは『絶対少女』で、彼女は失い続ける少女性に抗うかように、絶対に少女であることを高らかに宣言している。それを信じる強い思いが彼女のロックンロールを鳴らし、このアルバムに結実している。
1曲目「絶対彼女」のなかで大森靖子は“絶対女の子がいいな”と歌う。そこには少女性を失う悲しみも絶望もない。大森靖子は、少女であることを全肯定し、その歓びを歌う。そして「over the party」では“Over 30 おばさん/鏡の中でちょっとマシにやっている/進化するブタ/お前の国の言葉なんて知らない”とメランコリックに嫌味をこめて歌うのだ。
絶対少女の彼女に、敵はない。アイドルポップ、テクノポップ、ボサノバ、フォーク、ピアノ弾き語り、ロック、ノイズ、ジャズとごった煮的に曲調を変えたって、全部大森靖子の歌だ。彼女に恋する僕は盲目的に褒めたたえ、毎日繰り返しその音を聴くだけだ。
昨日、ようやくレコ発ツアーが発表された。京都は2月27日拾得だ。あと2ヶ月、僕はまた指折り数え、彼女のライブに想いを寄せながらその日を待つのだ。
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オンガク
もり
2013-12-29T12:59:54+09:00
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『魔法が使えないなら死にたい/大森靖子』
https://lkv.kyo2.jp/e411157.html
『魔法が使えないなら死にたい/大森靖子』
3月にリリースされた大森靖子のファーストフルアルバム『魔法が使えないなら死にたい』。買ってからすぐにiPodにぶっこんで何度も何度も何度も繰り返して聴いている。前作『PINK』で恋に落ちた僕は、このアルバムでさらに気持ちを昂ぶらせたのだ。やばいのだ。
恋をした僕は生身の大森靖子を見たい気持ちが抑えられず、4月5日にVOXhallで行われたレコ発ツアーにも駆けつけたのだ。前座の安藤明子の演奏が終わったあと、たいして間も置かずに、おもむろにステージに彼女が現れたのは9時前だった。最初の曲はアルバムの3曲目「新宿」だった。
1時間程の短い時間だったけど、僕は彼女の歌と、掻き均されるギターと、暗いステージの上で光る蛍光ピンクシールドと、曲間にときおり挟まれるMCでのはにかむうような表情に、目とココロを奪われ続けていたのだ。
映画『サマーセール』で見たように、彼女はギター1本で歌を歌った。黒っぽいワンピースにハイヒールをはいた彼女は頼りなげに立っているのに、彼女の歌と、歌を歌う存在感は圧倒的で、鷲掴みにされたココロはずっと揺さぶり続けられ、ライブが終わったあとは、呆然として春の夜の町に取り残されたのだ。
“魔法が使えないなら死にたい”と歌う彼女の覚悟に僕は圧倒され、ココロを奪われたのだ。
もしかすると“魔法”は少女にしか使えないのかもしれない。25歳の大森靖子はもう少女ではないし、毎晩寝て起きるたびに少女性を失い続けているのだ。その悲しみと絶望が彼女の歌の根底に流れるブルースだ。“スカートから零れるブルース”なのだ。
しかし、彼女は少女性の持つ商品性に自覚的だから、POPな曲を書く。耳になじむメロディを歌うのだ。
『魔法が使えないなら死にたい』の1曲目「KITTY'S BLUES」が特に好きだ。恋はまだ続くのだ。
「KITTY'S BLUES/大森靖子」
キティちゃんの 白いところ
6Bで塗りつぶす
夢は汚いほどかなうもの
かわいくないから待ちぼうけ
消しゴムでごしごしやってたら
グシャってやぶれて ぼろぼろだけど
私はこれでいいのよ
私はこれでいいのよ
交番にひきずりこまれて
わけもなくいいわけをした
スカートから零れるブルースが
みつからないように
みつからないように
君の白いこころ
ろくでなし 擦りつぶす
愛だっていえるくらい ちゃんとしたい
ぼろぼろだけど ちゃんとしたい
ちょっと古いうたを聴いても
懐かしくならないで
悲しみの果ては おまわりさん
この道の果て
BLUE BLUE
ブルース
ぶら下がって 揺れる夢
交番にひきずりこまれて
わけもなくいいわけをした
スカートから零れるブルースが
みつからないように
HELLO 馬鹿女 KITTY
『魔法が使えないなら死にたい/大森靖子』
3月にリリースされた大森靖子のファーストフルアルバム『魔法が使えないなら死にたい』。買ってからすぐにiPodにぶっこんで何度も何度も何度も繰り返して聴いている。前作『PINK』で恋に落ちた僕は、このアルバムでさらに気持ちを昂ぶらせたのだ。やばいのだ。
恋をした僕は生身の大森靖子を見たい気持ちが抑えられず、4月5日にVOXhallで行われたレコ発ツアーにも駆けつけたのだ。前座の安藤明子の演奏が終わったあと、たいして間も置かずに、おもむろにステージに彼女が現れたのは9時前だった。最初の曲はアルバムの3曲目「新宿」だった。
1時間程の短い時間だったけど、僕は彼女の歌と、掻き均されるギターと、暗いステージの上で光る蛍光ピンクシールドと、曲間にときおり挟まれるMCでのはにかむうような表情に、目とココロを奪われ続けていたのだ。
映画『サマーセール』で見たように、彼女はギター1本で歌を歌った。黒っぽいワンピースにハイヒールをはいた彼女は頼りなげに立っているのに、彼女の歌と、歌を歌う存在感は圧倒的で、鷲掴みにされたココロはずっと揺さぶり続けられ、ライブが終わったあとは、呆然として春の夜の町に取り残されたのだ。
“魔法が使えないなら死にたい”と歌う彼女の覚悟に僕は圧倒され、ココロを奪われたのだ。
もしかすると“魔法”は少女にしか使えないのかもしれない。25歳の大森靖子はもう少女ではないし、毎晩寝て起きるたびに少女性を失い続けているのだ。その悲しみと絶望が彼女の歌の根底に流れるブルースだ。“スカートから零れるブルース”なのだ。
しかし、彼女は少女性の持つ商品性に自覚的だから、POPな曲を書く。耳になじむメロディを歌うのだ。
『魔法が使えないなら死にたい』の1曲目「KITTY'S BLUES」が特に好きだ。恋はまだ続くのだ。
「KITTY'S BLUES/大森靖子」
キティちゃんの 白いところ
6Bで塗りつぶす
夢は汚いほどかなうもの
かわいくないから待ちぼうけ
消しゴムでごしごしやってたら
グシャってやぶれて ぼろぼろだけど
私はこれでいいのよ
私はこれでいいのよ
交番にひきずりこまれて
わけもなくいいわけをした
スカートから零れるブルースが
みつからないように
みつからないように
君の白いこころ
ろくでなし 擦りつぶす
愛だっていえるくらい ちゃんとしたい
ぼろぼろだけど ちゃんとしたい
ちょっと古いうたを聴いても
懐かしくならないで
悲しみの果ては おまわりさん
この道の果て
BLUE BLUE
ブルース
ぶら下がって 揺れる夢
交番にひきずりこまれて
わけもなくいいわけをした
スカートから零れるブルースが
みつからないように
HELLO 馬鹿女 KITTY
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オンガク
もり
2013-04-25T22:31:07+09:00
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『PINK/大森靖子』
https://lkv.kyo2.jp/e399852.html
『PINK/大森靖子』
前々回のエントリーで2012年のベストアルバムはチェリー・シングと書きましたが、邦楽(あんまり聞かないけど・・・)のベストは大森靖子(おおもりせいこ)のミニアルバム『PINK』でした。
大森靖子との出会いは、みなみ会館で上映されたドキュメンタリー映画『サマーセール』を観た去年の6月のことです。
『サマーセール』は、若手映画監督とミュージシャンがコラボした「MOOSIC LAB(ムージック・ラボ)」という企画のひとつで、大森靖子と監督の岩淵弘樹が過ごすラブホテルでの数日を軸に、映画を完成できない監督のグズグズした様子と、それでも唄い続ける大森靖子が街頭で歌うシーンを中心に構成されていました。
映画の終盤、聴衆のまったくいない中、アルタ前の路上でギターを掻きならし、全霊をかけて舌ったらずで唄われる「PINK」に、僕の魂はわしづかみにされたのでした。恋に落ちたと言っても過言ではありません。YOUTUBEで彼女の歌を見る度にドキドキしてしまいます。
“あたしが少女でいれるようにピンク色をくれ”と唄われる「PINK」は、大森靖子が大森靖子でいるために歌を歌うしかないと表明するようなパンクでロックな曲でした。少女で居られなくなる切なさと、それに相反して大人になりたい欲望と限界が、歌を歌う歓びと共に表明されています。残念なことに妙なアレンジが僕にはいまいちで、映画のようにアコギ一本で歌われる方がずっと彼女の声が僕の芯に届いてきます。
“ときどき歌舞伎町にいかないと幸せがわからない”という「パーティードレス」の歌詞が示すように、椎名林檎を想起するかも知れないけれど、大森靖子はもっと生々しくて、全然売れていなかった頃のエレカシの宮本に似ています。そんな大森靖子のファーストフルアルバム『魔法が使えないなら死にたい』が3月にリリースされます。ライブも見たいです!
『PINK/大森靖子』
前々回のエントリーで2012年のベストアルバムはチェリー・シングと書きましたが、邦楽(あんまり聞かないけど・・・)のベストは大森靖子(おおもりせいこ)のミニアルバム『PINK』でした。
大森靖子との出会いは、みなみ会館で上映されたドキュメンタリー映画『サマーセール』を観た去年の6月のことです。
『サマーセール』は、若手映画監督とミュージシャンがコラボした「MOOSIC LAB(ムージック・ラボ)」という企画のひとつで、大森靖子と監督の岩淵弘樹が過ごすラブホテルでの数日を軸に、映画を完成できない監督のグズグズした様子と、それでも唄い続ける大森靖子が街頭で歌うシーンを中心に構成されていました。
映画の終盤、聴衆のまったくいない中、アルタ前の路上でギターを掻きならし、全霊をかけて舌ったらずで唄われる「PINK」に、僕の魂はわしづかみにされたのでした。恋に落ちたと言っても過言ではありません。YOUTUBEで彼女の歌を見る度にドキドキしてしまいます。
“あたしが少女でいれるようにピンク色をくれ”と唄われる「PINK」は、大森靖子が大森靖子でいるために歌を歌うしかないと表明するようなパンクでロックな曲でした。少女で居られなくなる切なさと、それに相反して大人になりたい欲望と限界が、歌を歌う歓びと共に表明されています。残念なことに妙なアレンジが僕にはいまいちで、映画のようにアコギ一本で歌われる方がずっと彼女の声が僕の芯に届いてきます。
“ときどき歌舞伎町にいかないと幸せがわからない”という「パーティードレス」の歌詞が示すように、椎名林檎を想起するかも知れないけれど、大森靖子はもっと生々しくて、全然売れていなかった頃のエレカシの宮本に似ています。そんな大森靖子のファーストフルアルバム『魔法が使えないなら死にたい』が3月にリリースされます。ライブも見たいです!
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オンガク
もり
2013-02-05T23:02:24+09:00
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チェリー・シングが2012年のベストアルバム
https://lkv.kyo2.jp/e398182.html
『CHERRY THING/NENEH CHERRY & THE THING』
去年買ったアルバムの中で、最も愛聴したのがこの『CHERRY THING』だ。
リップ・リグ&パニック時代からソロに至るまで、すばらしいアルバムを残してきたネナ・チェリーがマッツ・グスタフソン率いるザ・シングと組んだアルバムだ。基本的にカバーが主体なのだが、一曲目ネナの新曲「Cash Back」がとにかく恰好いい。ネナのボーカルにフリーキーなサックスが絡んでいく。ネナ・チェリーの声が好きなので、彼女の歌はどれも無条件に受け入れてしまうのだけれど、ジャズとロックとアバンギャルドがバランスよく配分されていて大人のロックに仕上がっているのだ。比較するものではないが、清志郎が梅津さんのバンドとコラボした『DANGER』を思い出した。
マッツ・グスタフソンはどっかで聞いたことのある名前だと思ったら、ジム・オルークやサーストン・ムーアらと共演しているひとで、僕の持っている彼らのアバンギャルドなアルバムにも名前がクレジットされていた。それはまったくフリーキーでノイジーなアルバムだったりするので、ホコリをかぶったまま行方知れずになっている。
ストゥージズやスーサイドなんかの曲をカバーしていて「Cash Back」以外はわりとジャズっぽいアレンジになっている。このアルバム、僕が手に入れる前に一緒に釣りにいくTさんが持っていて、釣場に向かう深夜の高速道路で聴いたのだがドライブにはまったく向いていません・・・。
『CHERRY THING/NENEH CHERRY & THE THING』
去年買ったアルバムの中で、最も愛聴したのがこの『CHERRY THING』だ。
リップ・リグ&パニック時代からソロに至るまで、すばらしいアルバムを残してきたネナ・チェリーがマッツ・グスタフソン率いるザ・シングと組んだアルバムだ。基本的にカバーが主体なのだが、一曲目ネナの新曲「Cash Back」がとにかく恰好いい。ネナのボーカルにフリーキーなサックスが絡んでいく。ネナ・チェリーの声が好きなので、彼女の歌はどれも無条件に受け入れてしまうのだけれど、ジャズとロックとアバンギャルドがバランスよく配分されていて大人のロックに仕上がっているのだ。比較するものではないが、清志郎が梅津さんのバンドとコラボした『DANGER』を思い出した。
マッツ・グスタフソンはどっかで聞いたことのある名前だと思ったら、ジム・オルークやサーストン・ムーアらと共演しているひとで、僕の持っている彼らのアバンギャルドなアルバムにも名前がクレジットされていた。それはまったくフリーキーでノイジーなアルバムだったりするので、ホコリをかぶったまま行方知れずになっている。
ストゥージズやスーサイドなんかの曲をカバーしていて「Cash Back」以外はわりとジャズっぽいアレンジになっている。このアルバム、僕が手に入れる前に一緒に釣りにいくTさんが持っていて、釣場に向かう深夜の高速道路で聴いたのだがドライブにはまったく向いていません・・・。
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オンガク
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2013-01-12T18:07:56+09:00
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2012年の戸川純
https://lkv.kyo2.jp/e390662.html
大阪梅田のライブハウスAKASOで、戸川純のライブを観た。1983年にリリースされた『玉姫様』からほぼ30年。かって好きなアイドルは?と聞かれて戸川純と答えていたにもかかわらず、ライブを観たのは実ははじめてだったのだ(生の戸川純は数年前に二人芝居を観たことがある)。
1曲目の「諦念プシガンガ」でいきなり昇天。もう最高だ。言葉にならない。なんならこの1曲でライブが終わっていても僕は満足していたに違いない。
しばらく前から腰が悪くてリハビリを続けているらしく、基本的に座ったままだったので、少し見にくかったのは残念だったけど、それがどうしたというのだ。戸川純がステージに立ち「玉姫様」や「蛹化の女」を歌っているのだ。腰を庇うせいか、曲間のMCもいちいち長かったし、途中で休憩をはさんだ二部構成になっていたとはいえ、アンコールの「パンク蛹化の女」まで全25曲。「諦念プシガンガ」だけで満足したのに2時間半も幸福な時間が続いた。
妹の戸川京子が「バーバラ・セクサロイド」の振り付けの一部を考案したエピソードや、彼女自身がヤプーズのセカンド『大天使のように』を気にいっていなくてボックス以外に再発を許していない(僕もあのアルバムがピンとこなくて、ヤプーズ及び戸川純と疎遠な90年代を過ごしてしまったのだ。それはまさに失われた10年間だ)ということ、「電車でGO」で一緒にコブシを振り上げるように、はにかみながら話す様子、ときに冗長だと感じたMCも思い返してみると、どれもかけがえのないものだったと感じる。
30年のキャリアを網羅するような選曲はまさに戸川純ベストいうべき内容だった。なによりファルセットはあまり出ないと云っていたけれど、戸川純の声ははじめて『玉姫様』をきいたときからちっとも変わっていない。時間も空間も超えて戸川純は戸川純だった。
来年もまた観に来よう。
ライブからの帰りにはiPodにいれてある『TOGAWA LEGEND』を聞きながら僕はまたニヤニヤしてしまったのだ。
戸川純事務所のtwitterにこの日のセットリストがアップされていました。
第一部:諦念プシガンガ、コレクター、コンドルが飛んでくる、12階の一番奥、金星、赤い戦車、ヒステリヤ、憤怒の河、蛹化の女、眼球綺譚、ローハイド、NOT DEAD LUNA、フリートーキング
第二部:肉屋のように、Men's JUNAN、玉姫様、シャルロット・セクサロイドの憂鬱、サンプルA、吹けば飛ぶよな男だが、電車でGO、母子受精、バージンブルース、バーバラ・セクサロイド、レーダーマン
アンコール:パンク蛹化の女
■戸川純事務所twitter
大阪梅田のライブハウスAKASOで、戸川純のライブを観た。1983年にリリースされた『玉姫様』からほぼ30年。かって好きなアイドルは?と聞かれて戸川純と答えていたにもかかわらず、ライブを観たのは実ははじめてだったのだ(生の戸川純は数年前に二人芝居を観たことがある)。
1曲目の「諦念プシガンガ」でいきなり昇天。もう最高だ。言葉にならない。なんならこの1曲でライブが終わっていても僕は満足していたに違いない。
しばらく前から腰が悪くてリハビリを続けているらしく、基本的に座ったままだったので、少し見にくかったのは残念だったけど、それがどうしたというのだ。戸川純がステージに立ち「玉姫様」や「蛹化の女」を歌っているのだ。腰を庇うせいか、曲間のMCもいちいち長かったし、途中で休憩をはさんだ二部構成になっていたとはいえ、アンコールの「パンク蛹化の女」まで全25曲。「諦念プシガンガ」だけで満足したのに2時間半も幸福な時間が続いた。
妹の戸川京子が「バーバラ・セクサロイド」の振り付けの一部を考案したエピソードや、彼女自身がヤプーズのセカンド『大天使のように』を気にいっていなくてボックス以外に再発を許していない(僕もあのアルバムがピンとこなくて、ヤプーズ及び戸川純と疎遠な90年代を過ごしてしまったのだ。それはまさに失われた10年間だ)ということ、「電車でGO」で一緒にコブシを振り上げるように、はにかみながら話す様子、ときに冗長だと感じたMCも思い返してみると、どれもかけがえのないものだったと感じる。
30年のキャリアを網羅するような選曲はまさに戸川純ベストいうべき内容だった。なによりファルセットはあまり出ないと云っていたけれど、戸川純の声ははじめて『玉姫様』をきいたときからちっとも変わっていない。時間も空間も超えて戸川純は戸川純だった。
来年もまた観に来よう。
ライブからの帰りにはiPodにいれてある『TOGAWA LEGEND』を聞きながら僕はまたニヤニヤしてしまったのだ。
戸川純事務所のtwitterにこの日のセットリストがアップされていました。
第一部:諦念プシガンガ、コレクター、コンドルが飛んでくる、12階の一番奥、金星、赤い戦車、ヒステリヤ、憤怒の河、蛹化の女、眼球綺譚、ローハイド、NOT DEAD LUNA、フリートーキング
第二部:肉屋のように、Men's JUNAN、玉姫様、シャルロット・セクサロイドの憂鬱、サンプルA、吹けば飛ぶよな男だが、電車でGO、母子受精、バージンブルース、バーバラ・セクサロイド、レーダーマン
アンコール:パンク蛹化の女
■戸川純事務所twitter ]]>
オンガク
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2012-11-05T00:08:27+09:00
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『The Sweet Passioin/ズボンズ』
https://lkv.kyo2.jp/e375959.html
いつの間にかリリースされていたズボンズの新譜。PVを集めたDVDがセットになっているのも嬉しいのだが、なにより2011年3月のカリフォルニアと今年の3月に録音された新曲の数々が素晴らしい。
ズボンズは、ズボンズのまま純度を高めて比類なきグルーヴを鳴らしている。それは歓喜のグルーブだ。哀しみや迷いを乗り越えたタフな音楽だ。航海の途中、目印になるような強い光を放っている星をズボンズは見つけたのだ。それは悩みも迷いも全て受け入れた上で進むべき方向に間違いのないことを教えてくれる指針となるような星だ。
そしてその音は僕らを優しく包み込んで、しなやかに揺らすのだ。とにかく素晴らしい。こんなときにyoutubeを見始めたらたいへんだ。ビール片手に夜が更けるのをまったく忘れてしまう。いつの間にか狂ったように踊りだす。ライブ会場にいるかのようにコール&レスポンスに一緒に手を振り上げている。イエェーッ!!!
いつの間にかリリースされていたズボンズの新譜。PVを集めたDVDがセットになっているのも嬉しいのだが、なにより2011年3月のカリフォルニアと今年の3月に録音された新曲の数々が素晴らしい。
ズボンズは、ズボンズのまま純度を高めて比類なきグルーヴを鳴らしている。それは歓喜のグルーブだ。哀しみや迷いを乗り越えたタフな音楽だ。航海の途中、目印になるような強い光を放っている星をズボンズは見つけたのだ。それは悩みも迷いも全て受け入れた上で進むべき方向に間違いのないことを教えてくれる指針となるような星だ。
そしてその音は僕らを優しく包み込んで、しなやかに揺らすのだ。とにかく素晴らしい。こんなときにyoutubeを見始めたらたいへんだ。ビール片手に夜が更けるのをまったく忘れてしまう。いつの間にか狂ったように踊りだす。ライブ会場にいるかのようにコール&レスポンスに一緒に手を振り上げている。イエェーッ!!!
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オンガク
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2012-07-14T18:17:26+09:00
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『BONE TO DIE / LANA DEL REY』
https://lkv.kyo2.jp/e356842.html
『BONE TO DIE / LANA DEL REY』
ロッキンオンで去年からプッシュされていたラナ・デル・レイ。YOU TUBEで「VIDEO GAMES」のビデオクリッップを観て、感情を押し殺しあらかじめ失われた世界で二度とさめない夢について語るようなその唄に、一瞬で惹かれてしまった。
誰もが知っているのに誰もが知らないふりをしているアメリカの裏側を暴いたジェームス・エルロイの小説のようだとも思った。暴力と無力に支配され荒廃した郊外の町を描いたハーモニー・コリンの映画のようだとも思った。ラナ・デル・レイの声は、悦びも哀しみのない世界の果てでメランコリックに響いていました。
で、リリースされたアルバムを早速購入したのですが、「VIDEO GAMES」以外の曲がちっともピンとこなくて困ってます。単調で退屈です。「VIDEO GAMES」だけiPodに入れて、このアルバムはCD棚の奥の方に埋もれてしまいそうです。そういえば、タワーレコードには試聴コーナーすらできていませんでした。あぁ。
もう一回「VIDEO GAMES」のビデオクリップをみました。ひとつわかったことがあります。僕は、彼女のあひるクチビルに騙されただけなのかも知れません。気怠く拡げられたその厚いクチビルに・・・。
『BONE TO DIE / LANA DEL REY』
ロッキンオンで去年からプッシュされていたラナ・デル・レイ。YOU TUBEで「VIDEO GAMES」のビデオクリッップを観て、感情を押し殺しあらかじめ失われた世界で二度とさめない夢について語るようなその唄に、一瞬で惹かれてしまった。
誰もが知っているのに誰もが知らないふりをしているアメリカの裏側を暴いたジェームス・エルロイの小説のようだとも思った。暴力と無力に支配され荒廃した郊外の町を描いたハーモニー・コリンの映画のようだとも思った。ラナ・デル・レイの声は、悦びも哀しみのない世界の果てでメランコリックに響いていました。
で、リリースされたアルバムを早速購入したのですが、「VIDEO GAMES」以外の曲がちっともピンとこなくて困ってます。単調で退屈です。「VIDEO GAMES」だけiPodに入れて、このアルバムはCD棚の奥の方に埋もれてしまいそうです。そういえば、タワーレコードには試聴コーナーすらできていませんでした。あぁ。
もう一回「VIDEO GAMES」のビデオクリップをみました。ひとつわかったことがあります。僕は、彼女のあひるクチビルに騙されただけなのかも知れません。気怠く拡げられたその厚いクチビルに・・・。
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オンガク
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2012-03-03T16:14:37+09:00
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『ストーン・ローリン/ラファエル・サディーク』
https://lkv.kyo2.jp/e307215.html
『Stone Rollin'/Raphael Saadiq』
滅多に試聴しないタワーレコードのブラックミュージックコーナーで見つけたラファエル・サディークの「ストーン・ローリン」。一曲目のスライっぽいごきげんなファンクナンバーを聴いたときにほぼ購入を決めてました。2曲目以降も60年代〜70年代のソウル、ブルース、R&B、ロックンロールの旨味成分を滋養としてスクスク育ったような曲が並んでいて、フフフンと鼻歌まじりでレジに持っていきました。
リアルタイムのブラックミュージックについては全く詳しくないので、ラファエル・サディークがどんなミュージシャンなのかも知らなかったのですが、トニー・トニー・トニーというグループ名は聴いたことがあります(調べてみると88年のデビューです)。ソロになってから、これは4枚目のアルバム。トニー・トニー・トニー時代からすると結構なベテランです。ベテランだけど、楽曲は力強くて勢いがあります。きっとライブも楽しいに違いありません。
『Stone Rollin'』という、どこにでも転がっていそうなアルバムタイトルが、実に相応しい粒ぞろいのナンバーが並んでいて、この頃よく聴いています。何年かたって、久しぶりに聴いたときには、きっと今年のジメジメした梅雨を思い出すくらい、2011年の初夏から梅雨にかけてのお気に入りです。
前のソロアルバムも欲しくなりました。
『Stone Rollin'/Raphael Saadiq』
滅多に試聴しないタワーレコードのブラックミュージックコーナーで見つけたラファエル・サディークの「ストーン・ローリン」。一曲目のスライっぽいごきげんなファンクナンバーを聴いたときにほぼ購入を決めてました。2曲目以降も60年代〜70年代のソウル、ブルース、R&B、ロックンロールの旨味成分を滋養としてスクスク育ったような曲が並んでいて、フフフンと鼻歌まじりでレジに持っていきました。
リアルタイムのブラックミュージックについては全く詳しくないので、ラファエル・サディークがどんなミュージシャンなのかも知らなかったのですが、トニー・トニー・トニーというグループ名は聴いたことがあります(調べてみると88年のデビューです)。ソロになってから、これは4枚目のアルバム。トニー・トニー・トニー時代からすると結構なベテランです。ベテランだけど、楽曲は力強くて勢いがあります。きっとライブも楽しいに違いありません。
『Stone Rollin'』という、どこにでも転がっていそうなアルバムタイトルが、実に相応しい粒ぞろいのナンバーが並んでいて、この頃よく聴いています。何年かたって、久しぶりに聴いたときには、きっと今年のジメジメした梅雨を思い出すくらい、2011年の初夏から梅雨にかけてのお気に入りです。
前のソロアルバムも欲しくなりました。
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オンガク
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2011-06-21T01:33:33+09:00
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1983年のロッキンオン
https://lkv.kyo2.jp/e294726.html
行きつけのブックオフでキヨシローとチャボが表紙の1983年のロッキンオンを見つけて購入。ブックオフのくせに当時の定価を遥かに超える値段が付いていた。
RCの『OK』のリリースにあわせたキヨシローとチャボの全曲解説のインタビューはたった2ページしかなかった。キヨシローとチャボの適当な受け応えが懐かしい。
レコードレビューのページには今年の1月に買ったばかりのかしぶち哲郎の『リラのホテル』が載っていた。それに『シンクロニシティー/ポリス』、『ノース・マリン・ドライブ/ベン・ワット』、『アティチュード/リップ・リグ&パニック』も持っている。他にもルースターズの『CMC』やじゃがたらの『家族百景』もリリースされている。なんて豊かな月なのだろう!
桑田佳祐やスティングのインタビューもあるのだが、まだ読者(と編集者)の思い入れたっぷりの投稿記事の方がたくさんあっておもしろい。それと、当時は普通のことだったのだが、「伝言板」や「友達募集」コーナーで実名と住所が掲載されているのにびっくりした。
こんな感じだ。
●去年の9月11日、ロフトでパンタのダビングを僕に頼んだ吉沢ゆうこさん。電話番号がわからなくなりました。連絡ください。〒180 武蔵野市○○○○–○–○ ○○荘5号 近藤洋介
個人情報という概念もなかったバブル前の平和な時代のことだ。高校生のときは僕もその辺りのページにしっかり目を通していたことを思い出した。そして同郷のひとを見つけると、手紙も出さないのに勝手にドキドキしていた。当時から僕はシャイでナイーブだったのだ。
行きつけのブックオフでキヨシローとチャボが表紙の1983年のロッキンオンを見つけて購入。ブックオフのくせに当時の定価を遥かに超える値段が付いていた。
RCの『OK』のリリースにあわせたキヨシローとチャボの全曲解説のインタビューはたった2ページしかなかった。キヨシローとチャボの適当な受け応えが懐かしい。
レコードレビューのページには今年の1月に買ったばかりのかしぶち哲郎の『リラのホテル』 が載っていた。それに『シンクロニシティー/ポリス』、『ノース・マリン・ドライブ/ベン・ワット』、『アティチュード/リップ・リグ&パニック』も持っている。他にもルースターズの『CMC』やじゃがたらの『家族百景』もリリースされている。なんて豊かな月なのだろう!
桑田佳祐やスティングのインタビューもあるのだが、まだ読者(と編集者)の思い入れたっぷりの投稿記事の方がたくさんあっておもしろい。それと、当時は普通のことだったのだが、「伝言板」や「友達募集」コーナーで実名と住所が掲載されているのにびっくりした。
こんな感じだ。
●去年の9月11日、ロフトでパンタのダビングを僕に頼んだ吉沢ゆうこさん。電話番号がわからなくなりました。連絡ください。〒180 武蔵野市○○○○–○–○ ○○荘5号 近藤洋介
個人情報という概念もなかったバブル前の平和な時代のことだ。高校生のときは僕もその辺りのページにしっかり目を通していたことを思い出した。そして同郷のひとを見つけると、手紙も出さないのに勝手にドキドキしていた。当時から僕はシャイでナイーブだったのだ。]]>
オンガク
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2011-04-15T23:32:00+09:00
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トリコミ feat.戸川純
https://lkv.kyo2.jp/e294268.html
『Good girls get fed,Bad girls get eaten./トリコミ feat.戸川純』
戸川純がヴォーカルで参加しているトリコミのライブアルバムを某オークションサイトで落札。けっこう安かった!
トリコミのことはまったく知らなかったのですが、2008年にリリースされた戸川純の3枚組ベストを購入したときにはいっていた「彼が殴るの」が中々良くて気になっていました。全8曲中、6曲で戸川純がヴォーカルを担当していて、とにかく嬉しいです。前に観たふたり芝居のような、どす黒いモノローグが延々と続く曲もあって、戸川純ファンにはたまりません。
戸川純ファンという僕は40歳をもう越えているし、戸川純も3月31日で50歳です。なんだか照れくさいばかりです。恥ずかしくてはにかみながらでないと公言できません。それでも5月にはまたソロやゲルニカのアルバムが高品質のBlu-spec CDとして再発されるので、似たような中年男性が、男子を装い80年代の青臭さをいまだに引きずりながら生息しているのでしょう。
えっと、トリコミは水谷紹(ex東京中低域)、ホアチョ、かわいしのぶ(exスーパージャンキーモンキー)によるトリオ・バンドです。
■トリコミ
『Good girls get fed,Bad girls get eaten./トリコミ feat.戸川純』
戸川純がヴォーカルで参加しているトリコミのライブアルバムを某オークションサイトで落札。けっこう安かった!
トリコミのことはまったく知らなかったのですが、2008年にリリースされた戸川純の3枚組ベストを購入したときにはいっていた「彼が殴るの」が中々良くて気になっていました。全8曲中、6曲で戸川純がヴォーカルを担当していて、とにかく嬉しいです。前に観たふたり芝居のような、どす黒いモノローグが延々と続く曲もあって、戸川純ファンにはたまりません。
戸川純ファンという僕は40歳をもう越えているし、戸川純も3月31日で50歳です。なんだか照れくさいばかりです。恥ずかしくてはにかみながらでないと公言できません。それでも5月にはまたソロやゲルニカのアルバムが高品質のBlu-spec CDとして再発されるので、似たような中年男性が、男子を装い80年代の青臭さをいまだに引きずりながら生息しているのでしょう。
えっと、トリコミは水谷紹(ex東京中低域)、ホアチョ、かわいしのぶ(exスーパージャンキーモンキー)によるトリオ・バンドです。
■トリコミ
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オンガク
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2011-04-11T04:28:01+09:00
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トレイシー・チャップマンの声
https://lkv.kyo2.jp/e291565.html
坪内祐三の『本日記』のなかに「渋谷に出てHMVでトレイシー・チャップマンのベストを買う」という2002年の記述がある。トレイシー・チャップマンのデビューは1988年、彼女のファースト・アルバムは大好きで今でも年に数回は聴いている。
“ねえ判る?/生きることは走り続けること”と歌われる「トーキング・バウト・レヴォリューション」やヒットした「ファスト・カー」。“何もかもが白と黒に分けられている”と伴奏なしに静かなな怒りに満ちた声が印象的な「アクロス・ザ・ラインズ」など、どの曲もすばらしく、皆が寝静まった夜中に聴いていると、ヴォリュームを絞って聴いていても目の前で歌っているかのように引き込まれる。歌も曲もいいのだけど、なにより彼女の声に力がある。怒りや悦び、妬み、戸惑い、憂い、哀しみといった複雑な感情がストレートに伝わってくる。
それなのに僕は彼女のアルバムはこのファーストしか持っていない。好きになるとけっこうしつこく追いかけて、詰まらないアルバムがあってもなかったことにするのに、トレイシー・チャップマンだけは、どうも他のアルバムを買う気にならない。そのくらいこのファーストは完璧で、彼女のアルバムでこれ以上美味しく熟れた果実を手にすることはできないと思うのだ。いつでも、何度でも僕はこの新鮮でみずみずしい果実を口にすることができるのだから。
ところで、坪内祐三が購入したと思わしきベストの日本盤は、アマゾンの中古で高値(約6000円。輸入盤は安いです)がついている。ファーストなんか88円で、他のアルバムだと1円とかあるのに・・・。全アルバムを購入した方が安くなると思います!
坪内祐三の『本日記』 のなかに「渋谷に出てHMVでトレイシー・チャップマンのベストを買う」という2002年の記述がある。トレイシー・チャップマンのデビューは1988年、彼女のファースト・アルバムは大好きで今でも年に数回は聴いている。
“ねえ判る?/生きることは走り続けること”と歌われる「トーキング・バウト・レヴォリューション」やヒットした「ファスト・カー」。“何もかもが白と黒に分けられている”と伴奏なしに静かなな怒りに満ちた声が印象的な「アクロス・ザ・ラインズ」など、どの曲もすばらしく、皆が寝静まった夜中に聴いていると、ヴォリュームを絞って聴いていても目の前で歌っているかのように引き込まれる。歌も曲もいいのだけど、なにより彼女の声に力がある。怒りや悦び、妬み、戸惑い、憂い、哀しみといった複雑な感情がストレートに伝わってくる。
それなのに僕は彼女のアルバムはこのファーストしか持っていない。好きになるとけっこうしつこく追いかけて、詰まらないアルバムがあってもなかったことにするのに、トレイシー・チャップマンだけは、どうも他のアルバムを買う気にならない。そのくらいこのファーストは完璧で、彼女のアルバムでこれ以上美味しく熟れた果実を手にすることはできないと思うのだ。いつでも、何度でも僕はこの新鮮でみずみずしい果実を口にすることができるのだから。
ところで、坪内祐三が購入したと思わしきベストの日本盤は、アマゾンの中古で高値(約6000円。輸入盤は安いです)がついている。ファーストなんか88円で、他のアルバムだと1円とかあるのに・・・。全アルバムを購入した方が安くなると思います!
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オンガク
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2011-03-30T23:50:00+09:00
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Grouploveのシングルを買った。
https://lkv.kyo2.jp/e289965.html
レディオヘッドの新しいアルバムを買うつもりでタワーレコードへいったのですが、震災の影響で発売延期と貼紙が貼ってありました。同日に発売予定のストロークスもやっぱり延期みたいで、買う気満々の僕の気持ちを鎮めるためにいろいろ視聴して買ったのがアメリカの新人バンド“Grouplove”のシングルCD「Grouplove」です。
試聴機のポップにも書いてあったのですが、まんまアーケイド・ファイアです。あとクラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーのファーストっぽい雰囲気あります。6曲入りで、どれもクォリティが高くてちょっと愛聴盤になりそうです。ジャケットも好きな感じで、試聴機のなかった時代ならジャケ買いしてたかも知れません。
日本にはグループ魂がありますが、グループラブです。その言動がまったく理解できない元首相の掲げる“友愛”みたいなイメージがしてロックバンドっぽくないとないバンド名だと思ったのですが、バンド名をカタカナで検索すると、グループラブを愛するひとたち向けのサイトがラインナップされ、途端に反社会的な香りがにおってきました。
あと、レディオヘッドの『The King Of Limbs』は4月6日に発売です。
■Grouplove
レディオヘッドの新しいアルバムを買うつもりでタワーレコードへいったのですが、震災の影響で発売延期と貼紙が貼ってありました。同日に発売予定のストロークスもやっぱり延期みたいで、買う気満々の僕の気持ちを鎮めるためにいろいろ視聴して買ったのがアメリカの新人バンド“Grouplove”のシングルCD「Grouplove」です。
試聴機のポップにも書いてあったのですが、まんまアーケイド・ファイアです。あとクラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーのファーストっぽい雰囲気あります。6曲入りで、どれもクォリティが高くてちょっと愛聴盤になりそうです。ジャケットも好きな感じで、試聴機のなかった時代ならジャケ買いしてたかも知れません。
日本にはグループ魂がありますが、グループラブです。その言動がまったく理解できない元首相の掲げる“友愛”みたいなイメージがしてロックバンドっぽくないとないバンド名だと思ったのですが、バンド名をカタカナで検索すると、グループラブを愛するひとたち向けのサイトがラインナップされ、途端に反社会的な香りがにおってきました。
あと、レディオヘッドの『The King Of Limbs』は4月6日に発売です。
■Grouplove
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オンガク
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2011-03-22T23:57:00+09:00
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ソウルとファンクとレゲエ
https://lkv.kyo2.jp/e288695.html
『JAMAICA TO TORONTO : SOUL FUNK & REGGAE 1967-74』
だいたい年に1度くらい、ソウルやファンク、レゲエのコンピが欲しくなる。ソウルもファンクもレゲエも誰もが知っているような定番のCDしか持っていないので、コンピで知らない音に触れたくなるのだ。で、見つけたのがこのCDだ。この一枚にソウルもファンクもレゲエも納められている(一見)お得な一枚だ!
大好きなオルガン奏者のジャッキー・ミトゥーがトロントで数枚のアルバムをレコーディングしていたのは知っていのだが、トロントには世界最大のジャマイカン・コミュニティーがあってそこで活躍するジャマイカ系のミュージシャンが残した60年代から70年代にかけてのレアな音源が16曲入っている。こういうコンピの惹句に“レア音源”や“発掘”とか書いてあるともう気持ちがふらふらと欲しい方に片寄ってしまう。
収録されている16曲はファンキーなソウルとファンキーなレゲエという感じだ。耳あたりのよいご機嫌なナンバーがそろっている中で、NOEL ELISSの「Memories」という曲が最も興味を惹いた。ノエル・エリスはライナー(36ページのブックレットの対訳が載っていてライナーも充実)を読むとあのアルトン・エリスの息子だそうだ。抑制の効いたエコーとボーカルが心地よく、凍てつく寒さのトロントでジャマイカの夜を思い出しているようなメロウなダブナンバーだ。
あとヒッチハイカーズという微笑ましい名前のバンドがあって、その安直な命名に反対するものは居なかったのかと心配になったりした。でもこういうコンピは買ってしばらくは愛聴していても、いつのまにか棚の奥の方に積まれて、埃をかぶっていくのだ。
『JAMAICA TO TORONTO : SOUL FUNK & REGGAE 1967-74』
だいたい年に1度くらい、ソウルやファンク、レゲエのコンピが欲しくなる。ソウルもファンクもレゲエも誰もが知っているような定番のCDしか持っていないので、コンピで知らない音に触れたくなるのだ。で、見つけたのがこのCDだ。この一枚にソウルもファンクもレゲエも納められている(一見)お得な一枚だ!
大好きなオルガン奏者のジャッキー・ミトゥーがトロントで数枚のアルバムをレコーディングしていたのは知っていのだが、トロントには世界最大のジャマイカン・コミュニティーがあってそこで活躍するジャマイカ系のミュージシャンが残した60年代から70年代にかけてのレアな音源が16曲入っている。こういうコンピの惹句に“レア音源”や“発掘”とか書いてあるともう気持ちがふらふらと欲しい方に片寄ってしまう。
収録されている16曲はファンキーなソウルとファンキーなレゲエという感じだ。耳あたりのよいご機嫌なナンバーがそろっている中で、NOEL ELISSの「Memories」という曲が最も興味を惹いた。ノエル・エリスはライナー(36ページのブックレットの対訳が載っていてライナーも充実)を読むとあのアルトン・エリスの息子だそうだ。抑制の効いたエコーとボーカルが心地よく、凍てつく寒さのトロントでジャマイカの夜を思い出しているようなメロウなダブナンバーだ。
あとヒッチハイカーズという微笑ましい名前のバンドがあって、その安直な命名に反対するものは居なかったのかと心配になったりした。でもこういうコンピは買ってしばらくは愛聴していても、いつのまにか棚の奥の方に積まれて、埃をかぶっていくのだ。
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オンガク
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2011-03-21T23:57:00+09:00
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『剃刀乙女/青葉市子』
https://lkv.kyo2.jp/e287112.html
先月、USTREAMで観た細野さんのイベントに出演していた青葉市子の歌にびっくりした。ほかのひとも書いているけれど、まさに大貫妙子の声で歌う初期ジョニ・ミッチェルなのだ。昨年暮れから我が家ではちょっとした大貫妙子ブームが起きていたのもなんだかタイムリーでさっそく青葉市子のファースト『剃刀乙女』を購入した。
デビューからしばらく大貫妙子は都会の女性的な歌を歌うひとだったのに、柔らかで平和な世界に包まれたような小女性を研ぎ澄ましていきロック好きの男子にはちょっと辛くなった(ゴメンなさい。90年代以降の大貫妙子はそんなイメージがあってよく知りません)。
青葉市子は同じ少女性でも、大人の男をその無垢な姿と声で騙すような少女のようだ。それはあらゆる男を跪かせる女王のようでもあり、自らが支配しコントロールできる世界について意識的だ。もう頭を垂れてかしずくしかないではないか。
アルバムは8曲入りで26分52秒とコンパクトなのもちょうどいいです。40代男子にはこの世界に浸っているのはそのくらいが限界だったりします。
タイトルからも想像できるように、その感性は椎名林檎にもっと近しいのかも知れなくて、ずっとクラシックギターの弾き語りで演っているのですが、もっと別のフォームでの青葉市子の歌も聴いてみたいと思いました(ジャジーではないジャズな感じとか)。
先月、USTREAMで観た細野さんのイベントに出演していた青葉市子の歌にびっくりした。ほかのひとも書いているけれど、まさに大貫妙子の声で歌う初期ジョニ・ミッチェルなのだ。昨年暮れから我が家ではちょっとした大貫妙子ブームが起きていたのもなんだかタイムリーでさっそく青葉市子のファースト『剃刀乙女』を購入した。
デビューからしばらく大貫妙子は都会の女性的な歌を歌うひとだったのに、柔らかで平和な世界に包まれたような小女性を研ぎ澄ましていきロック好きの男子にはちょっと辛くなった(ゴメンなさい。90年代以降の大貫妙子はそんなイメージがあってよく知りません)。
青葉市子は同じ少女性でも、大人の男をその無垢な姿と声で騙すような少女のようだ。それはあらゆる男を跪かせる女王のようでもあり、自らが支配しコントロールできる世界について意識的だ。もう頭を垂れてかしずくしかないではないか。
アルバムは8曲入りで26分52秒とコンパクトなのもちょうどいいです。40代男子にはこの世界に浸っているのはそのくらいが限界だったりします。
タイトルからも想像できるように、その感性は椎名林檎にもっと近しいのかも知れなくて、ずっとクラシックギターの弾き語りで演っているのですが、もっと別のフォームでの青葉市子の歌も聴いてみたいと思いました(ジャジーではないジャズな感じとか)。
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オンガク
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2011-03-14T23:53:00+09:00
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洋楽の衰退とロックの未来
https://lkv.kyo2.jp/e286057.html
洋楽CDの売り上げが激減しているという記事を数日前の新聞で読んだ。うろ覚えなのだが、この10年か15年の間にピーク時の1/4か1/5以下に減少しているそうだ。もちろん音楽配信によって減っている分もあるのだろうが、事体はもっと深刻らしい。だいたい僕だってCDは買うけど新譜で買うことはめったになくなっている。
その新聞記事では洋楽ヒットの減少の要因のひとつとしてヒップホップの台頭について書いていた。ブラックミュージックの本流が日本人が苦手なリズム重視のヒップホップになり、アメリカのヒットチャートが日本のCD売り上げとリンクしなくなったというのだ。それも一理あるかも知れないけれど、僕はむしろオアシスとレディオヘッドにあるのだと思う。
オアシスは3枚目以降、次回作こそは、という希望的観測のみで2000年代に新譜と話題を洋楽シーンに提供してきた。でもファーストとセカンド以上のものは出せないまま解散し、何故かリアムのビーディーアイはオアシス以上に注目され、好意的な目で見られている。ラジオでもオンエアされまくっている。それともオアシスの解散前のアルバムは僕が知らないだけで良かったのだろうか・・・?
そしてもう10年以上もロックの未来を独り占めしているレディオヘッドだ。70年代、ブルース・スプリングスティーンにロックの未来の称号が与えられた。その後、ジョン・ライドンにより一旦ロックは死んだことになったのだが、ダンスとの融合によりストーン・ローゼスが再びロックの未来を照射した後、ロックの可能性をベックが拡げ、90年代後期からずっとロックの未来はレディオヘッドと共にある。確かにレディオヘッドはロックの未来に相応しいアルバムをリリースし続けてきた。その上、音楽配信の形さへ新しい形態を模索している。しかし、そろそろ僕たちはレディオヘッドに変わる次ぎの“ロックの未来”を見つけないといけないのだ。デビューして20年になろうしているベテランでなく、まっさらの新人にこそ“ロックの未来”は委ねられるべきなのだ。
とはいいながらもうすぐリリースされるレディオヘッドの新しいアルバム「ザ・キング・オブ・リムズ 」には大いに期待しているのです。今年最も期待される一枚であることに微塵の疑いもありません。
また余談なのですが、僕はトム・ヨークと同級生です。フリッパーズのふたりも。あとカイリー・ミノーグと福山雅治、シューマッハーと野茂も同級生でした。そして今日は僕の誕生日だったのです・・・。
その新聞記事では洋楽ヒットの減少の要因のひとつとしてヒップホップの台頭について書いていた。ブラックミュージックの本流が日本人が苦手なリズム重視のヒップホップになり、アメリカのヒットチャートが日本のCD売り上げとリンクしなくなったというのだ。それも一理あるかも知れないけれど、僕はむしろオアシスとレディオヘッドにあるのだと思う。
オアシスは3枚目以降、次回作こそは、という希望的観測のみで2000年代に新譜と話題を洋楽シーンに提供してきた。でもファーストとセカンド以上のものは出せないまま解散し、何故かリアムのビーディーアイはオアシス以上に注目され、好意的な目で見られている。ラジオでもオンエアされまくっている。それともオアシスの解散前のアルバムは僕が知らないだけで良かったのだろうか・・・?
そしてもう10年以上もロックの未来を独り占めしているレディオヘッドだ。70年代、ブルース・スプリングスティーンにロックの未来の称号が与えられた。その後、ジョン・ライドンにより一旦ロックは死んだことになったのだが、ダンスとの融合によりストーン・ローゼスが再びロックの未来を照射した後、ロックの可能性をベックが拡げ、90年代後期からずっとロックの未来はレディオヘッドと共にある。確かにレディオヘッドはロックの未来に相応しいアルバムをリリースし続けてきた。その上、音楽配信の形さへ新しい形態を模索している。しかし、そろそろ僕たちはレディオヘッドに変わる次ぎの“ロックの未来”を見つけないといけないのだ。デビューして20年になろうしているベテランでなく、まっさらの新人にこそ“ロックの未来”は委ねられるべきなのだ。
とはいいながらもうすぐリリースされるレディオヘッドの新しいアルバム「ザ・キング・オブ・リムズ 」には大いに期待しているのです。今年最も期待される一枚であることに微塵の疑いもありません。
また余談なのですが、僕はトム・ヨークと同級生です。フリッパーズのふたりも。あとカイリー・ミノーグと福山雅治、シューマッハーと野茂も同級生でした。そして今日は僕の誕生日だったのです・・・。]]>
オンガク
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2011-03-09T23:40:00+09:00
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『Lemon of Pink/the Books』
https://lkv.kyo2.jp/e285517.html
『Lemon of Pink/the Books』
年のはじめに再発されたファースト「Thought for Food」を買ったばかりのブックスのセカンドアルバムがタワーレコードに並んでいたので購入。ギターをはじめとするいくつかの楽器や、電子音、肉声(歌ではない)をサンプリングした幻惑的な音楽。夢をみているような気分になるのはこのアルバムでも日本語がサンプリングされているからなのか(「雨月物語」の田中絹代らしい)?
聴いている間に、鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』のなかに迷いこんだような気もする。いや、内田百閒の夢を断片的にひろったような感じだろうか。一曲一曲はわりと短いので次々とシーンが代わっていくようだ。さらに三次元から二次元へと次元を跨ぐような気もする。夢の狭間で質量を失い重力から自由になるような…。
ううむ。書いてて自分でワケがわからなくなってきた。それになんだか誉めすぎだ。セカンドも悪くないが少し自家中毒気味かも…。僕はファーストの方を推します。
『Lemon of Pink/the Books』
年のはじめに再発されたファースト「Thought for Food」を買ったばかりのブックスのセカンドアルバムがタワーレコードに並んでいたので購入。ギターをはじめとするいくつかの楽器や、電子音、肉声(歌ではない)をサンプリングした幻惑的な音楽。夢をみているような気分になるのはこのアルバムでも日本語がサンプリングされているからなのか(「雨月物語」の田中絹代らしい)?
聴いている間に、鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』のなかに迷いこんだような気もする。いや、内田百閒の夢を断片的にひろったような感じだろうか。一曲一曲はわりと短いので次々とシーンが代わっていくようだ。さらに三次元から二次元へと次元を跨ぐような気もする。夢の狭間で質量を失い重力から自由になるような…。
ううむ。書いてて自分でワケがわからなくなってきた。それになんだか誉めすぎだ。セカンドも悪くないが少し自家中毒気味かも…。僕はファーストの方を推します。
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オンガク
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2011-03-07T23:59:00+09:00