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2006年10月25日

ジム・ジャームッシュと古文書返却の旅

ジム・ジャームッシュと古文書返却の旅
 少し前のことだが、みなみ会館でジム・ジャームッシュ監督の「ブロークン・フラワーズ 」を観た。

 ビル・マーレイが演じる主人公のもとに、実は息子が存在するという差出人不明の手紙が届く。心当たりがあるのは、かって彼が多くの恋愛を楽しんだプレイボーイだったからなのだが、相手が誰なのかまったく見当がつかない。気ままな生活を送る彼は特に頓着する様子もないのだが、おせっかいな隣人にそそのかされて、昔の彼女と息子を探す旅にでる。
 元カノをシャロン・ストーンやジェシカ・ラングらの豪華女優陣が演じているというのが、この映画の売りのひとつだったのだが、ボクが観た理由は、やはりジム・ジャームッシュが監督だったからだ。
 しかしネット検索で昔の彼女の居場所を探しあて、旅を続ける映画はまさに監督が得意とするロード・ムービーなのだけれども、あまりにこなれた感じがして、平坦な印象しか残らなかった。


 ところで先日、読み終わった本の最後に「舞踏会の手帖」という映画のエピソードが書いてあって、粗筋としてこう書かれていた。

“中年をすぎた女主人公が、華やかだった若いころの舞踏会で会った男性たちを当時の手帳をたよりに探し出し、めぐり会う話で、美しく魅力的だった青年たちの、みじめに老いたなれのはてを知って、女主人公が暗い想いに沈む、悲しく淋しい印象の映画だった。”
 
 ネットで調べると、フランスの古い映画で、DVD化もされている。ボクは知らないのだけど、わりと有名な映画みたいだ。


 で、なんか話が似ているねというのが結論ではない。

 そのエピソードが書いてあったのは2004年に亡くなった網野善彦の「古文書返却の旅」という新書だ。
 著者が所属していた研究所が、戦後の混乱期に収集した日本各地の多くの古文書を、40年の歳月をかけて調査・返却を果たした顛末記だ。

 戦後間もない頃、明治以前の民衆の暮らしを調べるために、研究所員たちは全国の漁村を巡り、村の地主らから土蔵に眠る古文書を借りうけた。その際、借用書を書いていながら、研究所の閉鎖などもあって持ち主に返されないまま古文書は研究者の自宅や新しい勤務先である大学の倉庫の奥に埋もれてしまう。返却を求める強い督促があっても、詳しく調べられることがなく年月が過ぎていく。

 そして研究所の所長が死の間際に、「あとのことはよろしく頼む」と著者に後を託すのである。
 著者は古文書返却の旅に出ることを決意し、様々な困難を乗り越え、古文書の本来の持ち主を探しあてるのだ・・・。
 返却した先でひどく怒られると思っていたら、返却してくれたことを素直に喜ばれ、実はまだこんなのがありましたと差し出され、新たな古文書を発見する。なかには障子の裏紙として使用されているのを一枚づつはがしたりもする。古文書を返却するのと同時に、再調査もはじめる始末で、返却が片付かないうちに仕事がどんどん増えるばかりで、たいへんそうな様子が多彩なエピソードとともに描かれている。

 ロードムービー的要素が満載なのですが・・・。
 ジム・ジャームッシュが映画化しないかなと思う次第です。古い土蔵や古文書、さびれた漁村なんか「ストレンジャー・ザン・パラダイス」みたいに白黒で撮ればきっといい塩梅に違いないです。
 
 あっ、監督はアキ・カウリスマキでもいいかもしれません。

ブロークン・フラワーズHP



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Posted by もり at 03:01│Comments(0)シネマ
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