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2011年02月27日

『さまよう薔薇のように/矢作俊彦』



『さまよう薔薇のように/矢作俊彦』(光文社)を読了。

矢作俊彦は文句なくおもしろい作家で文章を読んでいるだけで幸福な気分になれ、いつもその言い回しや比喩の妙に感嘆するしかありません。

『さまよう薔薇のように』は横浜の夜の町で、駐禁をとられないように、契約しているクラブのママやホステスの車を定期的に移動することを生業にしている主人公の周りで起こる事件を巡る3つの短篇からなるハードボイルドミステリです。

皮肉の効いたセリフと言葉による駆け引き。裏の裏のさらにその裏をかくような会話を駆使する登場人物たちに、そんな頭の回転がねじれて早いひとはいないよと思いながら、引き込まれる次第です。またその比喩の多彩さにおいては村上春樹と矢作俊彦が日本文学の双肩だと思うのですが、この本でも腰が抜けるような比喩がひとつ。
エレヴェータから化粧の濃い娘が顔をのぞかせた。山口小夜子を気取っているのはすぐ判ったが、寒ブリがサヨリを気取ろうというようなものだった。

表紙のイラストは江口寿史です。1984年6月に刊行されているので、江口寿史のイラストの仕事としては初期のもののハズで『日の丸劇場』の連載から『エイジ』を描いていた頃です。『江口寿史のお蔵出し 夜用スーパー』によるとこの後、バブルの絶頂期1989年にイラスト1枚が500万円にまで高騰します。マンガを描くのが面倒になるのも仕方ないよなぁ・・・。

   


Posted by もり at 22:53Comments(0)ホン